トリップアドバイザーの動物福祉方針は日本にも適用されている

トリップアドバイザーは、世界中の何百万人もの消費者に利用されている旅行プラットフォームで、日本でも事業を展開しています。

これまで、国際的な動物保護団体等の働きかけにより、クジラ目の動物(イルカ)を用いたアトラクションや、サーカスの野生動物利用、動物と触れ合うアトラクションなどについてポリシーを導入してきました。

以前は英語版しか公表されていなかったのですが、日本語版が読めるようになっていたので、リンクします。

世界には動物を搾取し、苦しめる観光産業がたくさんありますが、十分とは言えないまでも、旅行代理店がこうした倫理的指針を採用し、不適切な動物の利用からの収益を拒絶していることには価値があります。

日本の旅行代理店に対しても、問題のあるアトラクションや施設をツアーに組み込む等しているときは、問題を指摘し、改善を求めるようにしましょう。

2019年 鯨類について新しい動物福祉ポリシーを公表

2019年10月2日、トリップアドバイザーは、クジラ目の動物の繁殖や輸入を行う施設との商業関係を解消すると公表しました。これにより、イルカの飼育を将来的に継続する施設のチケットの販売は中止され、収益は発生しなくなるとのことでした。

このポリシーは、いま現在すでに飼育下で幽閉されているクジラ・イルカたちに、代替環境として海辺の保護区を与えるよう促すことを目的としているとのことです。 (素晴らしい!)

このとき公開された動物福祉方針は英語版だけだったので、日本でも同じ方針が採用されるのか心配になり、当時、日本支社であるトリップアドバイザー株式会社に問い合わせたところ、広報から以下の回答をもらいました。

その後、ときどきサイトをチェックしていますが、確かにイルカショーを行っている日本の水族館等のチケットや、そうした施設への訪問を含むツアーなどは販売されていないようです。(もし見つけたら、通報するようにしてください)

トリップアドバイザー株式会社 回答

日本語サイトでも同じ福祉方針で運営されることになるでしょうか。
この度発した新ポリシーは日本語サイトを含むすべてのサイトに適用されます。
この方針に合致しない施設のページについては、本年中に削除となると 理解してよろしいでしょうか。
リリースに記載の通り、現在同ポリシーと合致しない商品を販売している施設に対し、チケット販売を今年中に終了させます。
リリースに掲載されている方針の全文は、日本語でどこかのページに掲載されることになるでしょうか。 (例えば、「トリップアドバイザーのコンテンツポリシー」のページなど)
現時点では、英語のみの掲載となります。
各園館のページの削除について回答ではわからなかったので、電話をしてみたところ、ポリシーに反する施設のチケットの販売は終了となるが、ページは残るようです。これは残念です。
さらに、WAZAの認定についてがよくわからなかったので質問しましたが、こちらは本社からの英語での回答となりました。
“Accredited facility”とは、日本では、WAZA(世界動物園水族館協会)の会員である 日本動物園水族館協会(JAZA)によって認定された施設ということになるかと思いますが、 単にJAZAの会員を指すことになるのでしょうか。それともJAZAが認証制度をつくるまで 日本では”Accredited facility”は存在しないということになるのでしょうか。
Facilities that do not keep cetaceans on display would not be impacted by this policy change, but are still subject to the existing animal welfare policy that was launched in 2016. You can read the full policy here:
https://www.tripadvisor.com/blog/animal-welfare-policy/?translate=enIn terms of accreditation, this is only relevant to facilities that display cetaceans. In order for a facility that keeps cetaceans to remain on sale on TripAdvisor, it must commit to prevent its cetaceans from breeding and to cease all imports of cetaceans, whether from the wild or from other captive facilities, and in addition to that, it must have also received accreditation from a WAZA-affiliated body. This policy will come into force by January 2020. This is to allow time for TripAdvisor to assess individual facilities.

(訳)鯨類を展示飼育していない施設は、この方針変更の影響を受けませんが、2016年に開始された既存の動物福祉方針の対象となります。ポリシーの全文はこちらでご覧いただけます:
https://www.tripadvisor.com/blog/animal-welfare-policy/?translate=en

認定に関しては、鯨類を展示する施設にのみ関連します。鯨類を飼育する施設がトリップアドバイザーでの販売を継続するためには、飼育する鯨類の繁殖を防ぐこと、野生または他の飼育施設からの鯨類の輸入をすべて中止することを約束し、それに加えて、WAZA加盟の団体から認定を受けている必要があります。この方針は2020年1月までに発効される予定です。これは、トリップアドバイザーが個々の施設を評価するための時間を確保するためです。

「トリップアドバイザーの動物愛護に関するポリシー」より抜粋

クジラ目(クジラおよびイルカ)

トリップアドバイザーは、次の場合を除き、飼育されたクジラ目が公開展示されている観光スポットや体験のチケットを販売したり、直接収益を得たりすることはありません。

クジラおよびイルカの海岸保護区域

次のタイプの施設で実施される体験が販売の対象となります。

●すべての飼育対象のクジラ目に海岸での恒久的な生活環境を提供する保護施設。

●飼育中のクジラ目のために代替の海岸保護区域を開発しており、監督下に置かれているすべての飼育中のクジラ目をこれらの環境に適切な方法で再収容することを好評している商業施設または非営利施設。

海岸保護区域とは、クジラ目を可能な限り自然環境に近い状態に置きながら、資格を持つ飼育スタッフと獣医師が保護や監督を行う、湾や入り江など沿岸の天然海域と定義されます。

海岸保護区域は、厳格な繁殖禁止方針を遵守し、公開展示のショーやパフォーマンスに出演させる目的で動物を訓練してはならず、水中での体験を含め、利用客と動物とのあらゆる形態の物理的な接触を禁止する必要があります。

その他の施設

その他の関連ポリシーの規定に従い、次のタイプの施設における体験も販売の対象となる場合があります。

次のすべての取り組みを実施することを正式な公約として掲げる認定*施設:

●飼育するクジラ目の繁殖を中止および防止すること
●捕獲されたクジラ目について、一般公開を目的とした他の施設からの輸入を中止すること
●公開展示を目的とした野生クジラ目の捕獲と輸入を中止すること

*認定は、世界動物園水族館協会(WAZA)の加盟団体から受けるものとします。

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