今年の6月1日に施行される改正種の保存法の政省令案についてパブリックコメントが行われています。動物の生体もしくは死体・パーツの利用に関連する項目には以下のようなものがあります。
- 希少種の保護増殖という点で一定の基準を満たす動植物園等を認定する「認定希少種保全動植物園等」制度
- 国際希少野生動植物種についての登録の更新及び個体識別措置の義務付け
- 届出制となっている象牙取扱事業の登録制化
締め切り日:2月24日(土) ※郵送の場合は必着
応募要項など詳細は:
パブコメ対象の文書は6つもありますが、【別紙1】「関係省令の整備に関する省令案」の概要と、【別紙6】「希少野生動植物種保存基本方針の一部を改正する件」(告示)の案の概要が主な内容をカバーしているかと思います。ほかは技術的な詳細に当たります。
1月18日に環境省の自然環境部会野生生物小委員会が開催され、【別紙6】の希少野生動植物種保存基本方針の修文について審議が行われました。全体に海の生物の保全が除外されてしまっているのではないかとの意見があり、もっともなことだと感じましたが、逆に「認定希少種保全動植物園等」のところにも水族館を書くべきではないかという話も出てしまい、パブコメ案に反映されています。
18日の傍聴に先立ち、PEACEでは、環境省に対し「認定希少種保全動植物園等」制度の懸念点について要望書を送付しました。
省令案の概要に「当該生息地又は生育地の整備その他の当該種の保存を図るための事業に寄与すると認められるものであること」とあるので心配し過ぎもあるかもしれないですが、種の保存の目的にそぐわない娯楽等を行っている園は認定してほしくなく、
●第一種動物取扱業の登録を受けていない施設は認定しないこと
●動物ショー、ライド、野生動物への給餌体験・ふれあい等を行う施設は認定しないこと
●過剰繁殖を行っている園は認定しないこと
(目安としては動物商に動物を渡している園は不可)
●サーカスと連携関係にある園、サーカスの特例を利用する園は認定しないこと
●移動動物園を行っている園は認定しないこと
などを求めました。
「認定希少種保全動植物園等」制度に関する新設の条文についてはこちらをご覧ください。認定された動物園等にとってのメリットは、譲渡の際の規制が緩和されることですが、「希少種の繁殖を行っている=優良動物園」と誤認されないような運用をしてほしいと願っています。
象牙については、法改正時には登録制となってしまいましたが、その後の国際的な取引禁止の動向や、日本が供給源となり海外に密輸出がなされている問題などに鑑み、取引禁止を諦めずに求めていきましょう。
3月8日の同小委で、今回のパブコメ結果を受けて審議がなされるそうです。
■法改正までの動向に関連するブログ記事:
■認定希少種保全動植物園に至るまでの経緯:
環境省の「動植物園等公的機能推進方策のあり方検討会」で検討された結果が、2017年の種の保存法改正に繋がっています。傍聴記は、こちらからご確認ください。
[caption id="attachment_25683" align="aligncenter" width="550"] 上野動物園のスパールバルライチョウ 国内希少種の飼育技術向上に役立つとの触れ込みだが、この哀れな飼育施設は…[/[…]