水産庁が商業捕鯨の対象にナガスクジラを追加しようとしており、パブリックコメントが6月5日まで行われています。反対の意見を送ってください。
ナガスクジラは、シロナガスクジラに次いで世界で2番目に大きなクジラで、絶滅危惧種です。IUCNのレッドリストでは「危急種」、ワシントン条約では付属書I(ただし日本は留保という姑息な手段をとっていますが)です。
国内の鯨肉消費は低迷しており、消費は右肩下がりに下がっています。鯨種拡大の必要があると思えません。新しい捕鯨船「関鯨丸」を作ったから景気付けのために大きなクジラ捕りたい共同船舶(商業捕鯨の実施主体である企業)に配慮しているだけに思えます。
捕鯨対策年間予算51億円は今年度予算でも引き続き計上されています。捕鯨が税金頼みである現状は変わりません。
パブコメについて詳しくはイルカ&クジラ・アクション・ネットワーク(IKAN)のブログをご覧ください。また、オーシャン・ガバナンス研究所代表理事・総括研究主幹、学習院大学法学部客員研究員である 真田康弘さんのブログと記事もご参考ください。
ちなみに、水産庁は、施策の根拠とする生息数は、委託先の国立研究開発法人 水産研究・教育機構が出している「国際漁業資源の現況」で公表しているというスタンスのはずなのですが、「大型鯨類(総説)」を見るとナガスクジラの北太平洋の推定量の記載はありません。根拠となる数字は示さないまま、パブコメをやっているのです。
下記のページから意見が送れますので、よろしくお願いします。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550003913&Mode=0
上記ページの一番下のボタンをクリックすると意見送信フォームが開きますが、クリックの前に「意見公募要領」のPDFファイルを開き、「意見募集要領(提出先を含む)の全部を確認しました。」の前のチェックボックスにチェックを入れます。そうしないと意見送信フォームが開きません。
締切 2024年6月5日 23時59分
参考情報
新しい捕鯨母船の出航に、大型であるナガスクジラの捕獲対象追加と、商業捕鯨に追い風が吹いているように見えるが、一概にそうで…
下記は有料記事ですが、捕鯨推進派である元水産庁職員すら、疑問を呈しています。
「元水産庁職員としてIWCに十数回参加して交渉に当たった小松正之さん(70)は『拙速だ。科学的な調査が公表されておらず、判断できない』と指摘する。」
「今回のパブコメでは、資源量の調査の結果は⽰されていない。調査結果は6⽉の⽔産政策審議会で公表するとしている。⼩松さんは「⼿続き的におかしい。⽔産庁は説明責任を果たしていない」と⾔う。」
日本の商業捕鯨を担う新しい捕鯨母船「関鯨(かんげい)丸」が21日、初の操業に向けて山口県の下関港を出港した。商業捕鯨が…
ナガスクジラ猟を行っているアイスランドでは、捕鯨における致死時間について、政府公表資料で以下のようなことがわかっています。捕鯨では、銛の先に爆薬が仕込まれており、銛が当たると体内で爆発するので即死だと言われることがありますが、日本の過去の公表でも、即死は半数程度にすぎません。
- 猟期に殺されたクジラの40%以上が、ゆっくりと苦痛を伴う死を迎え、即死しなかった
- 即死しなかったクジラが死ぬまでに要した生存時間の中央値は11.5分、ほぼ4分の1のクジラが2回目の銛で刺されなければ死ななっかった
- あるケースでは、動物は最終的に死亡したとみなされるまで2時間もがき続けた
An unprecedented Icelandic government study shows over 40% o…