【5月7日締切】動物実験の完全代替こそムーンショット! 内閣府の研究開発制度に提案しよう!

※以下のパブリックコメントは終了しました。結果についてはこちら


ネットを見ている感じでは、研究コミュニティにはすこぶる評判が悪そうなのですが、国の科学研究の方向性を決める内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を推進する「ムーンショット型研究開発制度」の創設を目指して検討を開始しています。

ムーンショットとは、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディが、1960年代が終わる前にアメリカは月に人類を送る、そのために全力を注ぐと言い、実現させた、その言葉から来ているそうです。莫大な資金はかかるが、実現すれば大きなインパクトが非常に大きいもの。バカみたいで実現しそうもないけれど、それに向かって努力すれば実現するかもしれない、偉大な目標。

内閣府も、「未来社会を展望し、困難だが実現すれば大きなインパクトが期待される社会課題等を対象として」、国が野心的な目標(ムーンショット目標)を掲げることとしています。

この流れを聞いて、もうこれは動物実験の完全代替しかないのではないか!と思いませんか? 恩恵を受けるのが動物というところが少し日本だと訴求力に弱いのかもしれませんが(悔しい!)、世界はこの目標へ向けてすでに動き出しています。人間でどうなるかの予測は、動物の結果から外挿するのではなく、人間の生物学ベースの科学で予測しなければだめだという方向へ。そして、動物を人間の代わりに苦しめたりしなくてもよい世界へ向けて。

インビトロ毒性試験の世界市場規模は2018年段階で74億ドルと推計されたが、今後2023年には104億ドル市場に達するとしているレポートもあります(リサーチステーション合同会社 海外最新リサーチ「In Vitro毒性試験:技術および世界市場2023年予測」リリースより)。しかも、動物実験よりコストカットでき、時間も早く、より人間への妥当性で安全性を考えられる…そんな方法が完成したら、すごいと思いませんか。

はっきりいって、これまでお金かけてきてないからダメだと思うんです。あと動物実験に頼りきっていて頭が固いところ。若い世代の人たちに、ぜひ自由な発想で研究してほしいです。

この制度の検討を行う「ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議」でどういったことが議論されているのかまだよく追えていませんが、4月15日が締め切りでしたので、PEACEではギリギリに以下の意見を送りました。

しかし、その後、なんと締切が延期されていました。5月7日(火)13:00までです。ゴールデンウィークに、ぜひ夢を語りましょう! 仮に今回採用されなくても、言い続けることが大事です。

※この意見募集は、解決すべき社会的課題について国民が提案を送るものであって、研究者が応募をするものではありません。

応募フォームおよび詳細はリンク先を確認してください:

応募した提案

動物の苦しみを救ってほしいという観点から送りましたが、もう少し種差によって動物実験がブラックボックスとなっている問題を訴えてもよかったのかもしれません。意外と文字数が足りないのです! 皆さまの夢を、ぜひ提案してください。

1.提案内容
1-1.これから日本が優先して取り組まなければならないと考える領域・分野を一つ選んでください。【公開】※必須

健康・医療(ライフサイエンス)

1-2. 1-1の領域・分野において、最先端技術を適用・応用して解決を目指すべきと考える社会課題の具体的内容をご記載下さい。
・社会課題の具体的内容【公開】(150文字以内) ※必須

動物実験ではマウス、ラット、ウサギ、イヌ、サル等の動物が使われ、特に安全性試験等の試験系では麻酔・鎮痛等の苦痛の軽減は用いられず苦しみのうち死に至ることもある。これらの犠牲や苦痛をなくしていくために、代替となる手法の開発研究や評価を行うことで、人道的な医療や製品開発を実現することは国際的課題である。

・キーワード【公開】(30文字以内)※必須

動物実験代替法, 新規試験法, 毒性学, 動物福祉, 3R

1-3.参考情報として、1-2の課題を解決するための、従来技術の延長にないより大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発アイデア等があればご記載ください。【任意】 従来技術の延長でないことが明確にわかるよう、課題のボトルネックやブレークスルーの技術的サプライズ等を具体的に御記載下さい。

・研究開発テーマ名(50文字以内)
人道的な科学を実現するための、動物を用いない新しい安全性評価体系の構築

・研究開発内容(500文字以内)
EUは化粧品の動物実験禁止を実現しており、日本の当局も加盟するICCR(化粧品規制協力国際会議)でも、動物を使わない新しいリスク評価体系の構築について2度の取りまとめを行っている。またオランダでは2025年までに安全性試験等における動物実験の廃止を目指した戦略を立てている。
今後の毒性予測の在り方は、これらにおいて示されているようなインビトロ試験とコンピューター予測の体系的な組み合わせにシフトしていくと考えられ、国際的には最終目標は動物実験の廃止にある。日本もこの国際動向に追いついていく必要がある。

また、近年国際的に示されている「新しいアプローチ方法論(NAMs)」として
リードアクロス
暴露に基づく免除規定(EBW)
インシリコ・ツール
代謝物探索
インケミコ・アッセイ
オミクス
レポーター遺伝子アッセイ
インビトロの薬理学的探索
三次元培養システム
Organ-on-chip(オーガン・オン・チップ、チップ上の臓器)
ゼブラフィッシュ幼生試験
経路モデリング
ヒト試験
等が挙げられており多岐にわたる知見の統合を行う必要がある。ムーンショット研究にふさわしいテーマである。

・キーワード(30文字以内)
動物実験代替法, NAMs, AOP, IATA


追記:パブコメ結果について

このパブリックコメントの結果発表という形での公表は行われていませんが、7月31日に行われた第4回ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議において、ムーンショット目標案について素案的なものが出てきています。動物実験ではない予測方法に関連する課題も入っており、今後に期待したいところです。

アクションをお願いします

署名にご協力ください日本が最大の消費国 ジャコウネココーヒー「コピ・ルアク」の取り扱い中止を求めるアクション[sitecard subtitle=関連記事 url=https://animals-peace.net/action[…]

活動分野別コンテンツ

活動報告ブログ

最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE

動物の搾取のない世界を目指して

PEACEの活動は、皆さまからのご寄付・年会費に支えられています。
安定した活動を継続するために、活動の趣旨にご賛同くださる皆さまからのご支援をお待ちしております。

CTR IMG