PEACEも賛同団体になっております「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」が、ピースワンコ・ジャパンの事業主体である認定NPOピースウィンズ・ジャパンを動物愛護法違反で告発したことについて昨日公表をしました。本日12月6日、告発状が受理されたとの連絡がありましたのでご報告いたします。
具体的には、動物の愛護及び管理に関する法違反(同法第44条1項、2項、第48条2号)での告発になりますが、その内容につきましては、同ネットワークサイトの告発概要のページに掲載していますので、こちらでお確かめください。また、閲覧注意ですが、証拠提出された写真も公開されています。
※※閲覧注意※※「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」として、ピースウィンズジャパンを動物愛護法違反で告発しました…
今回の告発の目的は、空前の規模の飼育頭数に至っているピースワンコ・ジャパンへの広島県からの譲渡を一刻も早くストップさせること、それと同時に、速やかに保護犬すべて(幼犬・老犬・傷病犬は除く)に不妊手術を実施させ、今現在いる犬たちの環境改善を図ることにありますが、告発概要をお読みいただければ、私たちネットワークが苦渋の選択をしなければならなかった理由をおわかりいただけると思います。
過密な環境下での犬同士の闘争などの様子は、まるで、かつて年間何十万匹も殺処分していた時代の保健所の再現のように感じてしまいます。写真を見てもしかりでした。そのような状況でも県が犬を出し続けていることが最も理解に苦しみました。
しかし、公開質問状への連名や広島県へ情報公開請求をする中で、県職員とも、たびたびやりとりをしましたが、飼育規模に関しても、不妊去勢手術をしてないことに関しても、認識の隔たりが大きいことを毎度実感するばかりでした。
やはり犬をもらってもらう立場の行政の立入検査では限界があると判断せざるを得ず、警察の捜査によって事実を明らかにし、歯止めとするしかないのだと思います。このような手段に出なければならないのは非常に残念なことですが、今回の受理によって事態が変わることを願っています。
6日発売の週刊誌も併せてご覧ください。
- 「週刊新潮」2018年12月13日号
【ワイド】色即是空の年忘れ
「浅田美代子」「杉本彩」告発の「ピースワンコ」が摘発された! - 「女性セブン」12/20号
緊急対談 杉本彩×竹本玲子獣医師「殺処分ゼロの犬シェルターは嘘だらけ!」
PWJは犬猫等販売業者定期報告届出書の提出も怠っていた
ピースワンコの非公開のシェルターは第二種動物取扱業での届出ですが(広島県・岡山県)、神石高原町の本拠地は県から第一種動物取扱業の登録を受けています。事業規模・事業内容等から念のため業として登録を受けたものだと聞いていますが、第一種(販売)であれば犬猫等販売業者定期報告届出書の提出義務があり、県は月ごとの繁殖数や死亡数を把握しているだろうと考え、実は今年初めに、情報公開請求をしました。
開示された犬猫等販売業者定期報告届出書は全て数字が墨塗りであり、これは想定内のことではありましたが、そもそも枚数が足りないのでおかしいと思ったところ、なんと2年間にわたり提出を怠っていたことがわかりました。広島県は「平成27年以降は販売は行っていない」とのことで平成27年と28年の書類がないことを黙認していた様子でしたが、業の実態があろうとなかろうと2年間提出がないのは違反(動物愛護法第四十九条第一号。二十万円以下の過料)ではないかと指摘したところ、指導するとのことでした。しかし、結局、提出したのかどうかは個人情報で言えないとのことでした。
(注:販売が、譲渡を販売とみなしているのか、そこも教えてはもらえていません。大阪府にも大手愛護団体のシェルターで第一種で登録している施設があるので聞いたところ、一般論として第一種登録をしている譲渡団体の毎年の届出については譲渡数を販売に供した数として(みなして)報告させているとの回答でした。広島県は、ここをどう運用しているのかの見解についてもはっきり言いません。金額と合わせて、実態で販売かどうか判断するとのみ言います。)
そもそも、犬猫等販売業者に対し毎月の動向を毎年報告させるように法改正がなされたのは(2012年改正)、突然感染症でたくさん死んだり、不適切な相手に親犬を大量に譲渡したり、不必要に数多く産ませていたり、何か管理に問題が起きていないかどうか、行政が指導の根拠とするため、届出させることになったものです。
2000匹近い犬(当時)を抱える事業者についてこそ、この制度を活用するべきなのに、提出させていないだけではなく飼育数・死亡数の動向について県が関心がない素振りだったことは、本当に理解ができませんでした。
ちなみに、情報開示がなされるまでも、写しの費用を払ってから3週間ほど時間がかかり(ふつうはすぐ送られてきます)、延長通知も来ないままだったので、本当なら条例違反という状況でした。墨塗りの作業を見直していたら時間がかかったと言っていましたが、休職者が出ているという話も後から聞き、何らかの問題が起きていたのかもしれないです。
そもそも犬を団体に譲渡しているのは広島県であり、指導監督をしなければならないのも広島県。もっと自治体がしっかりしていてくれれば…と思えてなりません。団体に対しては公開質問状の動きに参加していましたが、県はこのような対応だったということも知ってほしく、当時のメモをアップします。
開示請求当初に質問したときのやり取りメモ
●犬猫等健康安全計画で、繁殖するとしないの両方に印がついているのはおかしいのではないか。どういった繁殖を行っているのか。
⇒本来おかしい。詳細は言えない。
●ピースワンコが公表している保護数に施設内での出生数は含まれるか。
⇒ピースワンコが公表している保護数は、広島県が譲渡した数と一致しないのでどういった数字を公表しているかはわからない。
(⇒その後、団体サイトに保護数に含まれるとの記載)
●公表している保護数から譲渡数を引いた数と、法人代表が飼育していると記事に書いている数の間に1000匹ほどの違いが生じており(当時)、主に施設内で死亡した数と思われるが、死亡した数は把握しているか。
⇒問題があれば指導する。(数は把握していない)
●死体の処理方法はどうなっているか
⇒方法は聞いているが、教えられない。個人情報なので言えない。適切に処理するよう指導する。
●回復の見込みがない場合、施設内で安楽死処置はしているのか。
⇒把握していない。
さらに追加で質問したときのやり取りメモ
●届出書について2年分が未提出(法律違反)なのは間違いないか。
⇒指導する。
●広島県では、譲渡数は販売に供した数と解釈して届出させているのか。
⇒個別の業者について指導内容は言えない。
●広島県はピースワンコが譲渡した数等を把握しているのか。
⇒不適切なところがあれば指導する。(←やり取りがかみ合いません!)
とにかく、不適切なところがあれば指導する指導するを繰り返すだけで具体的なことは何もわからない対応でした。
こういう経緯もあり…ということをご説明したく、少しさかのぼってですが、ご報告です。
追記 その後の経緯
その後、動物愛護法違反の疑いで、6月4日書類送検されましたが、残念ながら9月5日に、嫌疑不十分で不起訴処分となりました。それに対し、検察審査会への不服申立もしましたが、2020年9月2日、「不起訴相当」との連絡があったとのことです。
詳しくは「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」のサイトをご覧ください。
「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」としてピースウィンズジャパンを動物愛護法違反で告発し、6月に書類送検されてい…