鹿児島市平川動物公園とカンボジアの動物園の間で動物交換の話が持ち上がっている件ですが、鹿児島市職員がカンボジアに出張をした際の報告等の情報公開請求をしました。下記のページに詳細をアップしましたので、ぜひご覧ください。
カンボジア側との協議内容についても報告がなされていますが、これを読む限りでは、カンボジア側が要望しているのはホワイトタイガーのペアということになります。
日本ですら認識が遅れている状況ではありますが、ホワイトタイガーは、アメリカでは既に動物園水族館協会が加盟園に対し繁殖を禁じているような状況にある動物です。そのような動物をペアで、しかも「お金がない」と言っている動物園に渡すことは論外ではないでしょうか。
現地の報告については、ゾウはNGOが介入していたために状況が改善していましたが、そのことについては触れられておらず、またゾウ以外の動物の飼育状況についてもあまり詳しい報告はありません。他の動物は写真も撮っていないとのことで、これでは本当にTeuk Chhou動物園の現状を報告しているとは思えません。
ちなみに、日本に輸入できる個体であるのか確認すると書かれているのは、カンボジアでは内戦の混乱等が理由で飼育ゾウの由来がはっきりしない状況があるとのことで、CITES(ワシントン条約)上必要な書類等が整っていない可能性もあるため、確認が必要であることを指しているものと思われます。
この一点をとっても交換に至るには実際にはハードルがあるはずですが、現地では国営テレビが取材に来たり、フン・セン首相が同意していたり、鳴り物入りの交渉であることもうかがえます。
2頭のゾウがどこへ行くのが最も幸せなのか、経済や外交、見世物のためではなく考えられるようになることこそ国の成熟には必要なことだと思います。日本は、安易にゾウを輸入するのではなく、新しいありかたへ向けたリーダーシップをとるべきではないでしょうか。
▼写真の入っているページ(人物の顔の部分は加工しました)