外来種被害防止行動計画・侵略的外来種リスト:パブコメは12月

先週、環境省が開催した「外来種被害防止行動計画・侵略的外来種リストに関するNGO・NPO及び関係事業団体と委員との意見交換会」のNGOの部の後半だけ傍聴してきました。

ここのところ、あまり動向をキャッチアップできていなかったのですが、一点だけ座長の発言が気になり、環境省に確認をとりました。

具体的にどういう発言だったかというと、「犬や猫は飼い主が飼えなくなったら行政に持っていく仕組みがあるが、他の動物にはそれがないので、そういった制度を法律を含めて検討する必要があるのではないか」という主旨のものです。(発言では狂犬病予防法を例に出されていましたが、野外での捕獲ではなく飼い主からの引取りの話だと感じましたので、正しくは動物愛護法かと思います。)

結論から言うと、現在そのような検討が具体的になされているわけではないとのことなので安心しましたが、委員の中にそういった意見があることについては、動物愛護に取り組む私たちも懸念材料として知っておくべきかと思いました。

犬と猫について殺処分ゼロを目指した取り組みがなされる中、他の動物についても安易に「持ってきてください」とする全国的な政策が許容されるとは思いませんし、動物愛護法の趣旨に生物多様性を入れることができないような状況の中で外来種対策のための引取り制度を動愛法に入れることなどできるはずがないとは思いますが、外来種対策の中では動物愛護の考え方は必ずしも関係者に理解されているわけではないですし、どんな意見が出てくるかわからないと感じます。

ミドリガメについては問題が深刻なのは間違いがないですが、そもそも大量輸入・大量販売をしている業者と、それを許している業界、そして終生飼養をすることを前提に購入した飼育者こそ責任を取るべき主体であり、次の飼い主探しなどについては、業界と飼い主が自己責任で取り組むのが第一であるべきではないでしょうか。それが不可能だというのなら、そもそも販売をすべきではないのは明白ですし、取り組みを怠ってきた業界に対して何も負担をさせずに税金で尻拭いしてあげることばかり考えるのもおかしな話です。

たとえば、動物取扱業の登録(販売)において、ミドリガメの扱う数を10万匹としている株式会社マルカンは、年間の売上157億円の企業です(平成24年度)。決して、かわいそうな零細企業ではありません。社会的責任を取るべき立場にある企業でしょう。

ミドリガメも特定動物指定へ向けた検討に動きがあるようですが、まず輸入を禁止するところが最重要だと思います。

環境省サイトより:
これまでの経緯は……

外来種被害防止行動計画(仮称)素案(後日追記:すでに策定済みにつきリンクを削除しました)
侵略的外来種リスト(仮称)動物の検討対象種リスト(検討作業中案)
(後日追記:すでに策定済みにつきリンクを削除しました)
検討スケジュール

上記2つのパブコメは12月とのことです。

ミドリガメはパブコメとはまた別の話ですが、参考までに報道です。

ちなみに、南アフリカなどでは、サルモネラなどの感染症を理由に、アカミミガメを含むカメ類の輸入を禁止しているそうです。日本においても今年8月、厚生労働省が以下のような注意喚起をしました。

※マルカンは全国に営業所がありますが、大阪府の登録のみで10万匹です。登録時には、最大飼養保管数もしくは1日の最大取扱数の記載が求められています。近年、輸入数は減少しており、一度に10万匹を扱うことがあるわけではないと思いますが、登録上は最大級ではないかと思います。

(S.A.)

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