昨日、消費者庁の「倫理的消費」調査研究会の第9回が開催されました。
内容は、エシカルファッションについて生駒芳子委員から、SDGsと倫理的消費について河口真理子委員から、そして消費者意識調査の結果発表が事務局からあり、そのあとで最終報告書構成案についての話し合いがありました。
エシカルファッションについてのお話の中では、毛皮などの動物性素材を使わないブランドとしてステラマッカートニーのこと、またアルマーニのノーファー(毛皮廃止)宣言がファッション界にとって新しい一歩だったこと、またエコファーが今年のトレンドであることなどの話題が出ました。
これからのファッションは、見た目だけではなく、内側から― そういう新しい次元に差し掛かりつつあるというお話はとても印象的でした。
最終報告書構成案については、写真(上記)にもある通り、「動物福祉(アニマルウェルフェア)を具体例に追記」と資料にはっきりと記載がありました! 日本女子大・細川先生のお話が反映されるとのことですが、複数の団体で要望してきたことが実現し、感無量です。
委員から、今日のエシカルファッションの話についても入れては?との意見があったので、毛皮等の動向についても入らないだろうか…と期待します。
この調査研究会も、いよいよ次回が最終回とのことです。
追記:
最終回の傍聴ができませんでしたが、「倫理的消費」調査研究会 4月19日に取りまとめ文書の最終版が公表されています。
動物福祉についても以下の通り、文言が入りました。(太字はPEACEによる)
(4+~5ページ)……加えて、多くの委員から、地産地消や被災地産品の消費といった「地域への配慮」、人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えることによって、動物福祉(アニマル・ウェルフェア)を実現するといった「動物への配慮」の観点が示されたことからも、倫理的消費の範疇の広がりを伺うことができる。
さらに、「エシカルファッション」のように、動物由来素材の使用を極力減らすべく配慮するだけではなく、農薬や工場排水などによる環境汚染や児童労働等の問題を排除するため、オーガニックコットンやリサイクル素材等を用いるといった、複合的な要素を持つものもある。
(中略)
以上のとおり、一つの名称で言い換えることの難しさを示す結果となったため、人、社会、環境、地域、動物に配慮した様々な消費活動の総称としての「エシカル消費」の認知度向上を目指しつつ、よりイメージの湧きやすい言葉に言い換える必要がある状況下では、その都度、テーマ、対象となる世代等に応じてふさわしい言葉を使い分けることが望ましい。
この件につきましては、JAVA、ARC、立教大学ESD研究所と合同で開催しましたエシカルシンポジウムで基調講演をお願いしました英国エシカル・コンシューマー編集長のロブ・ハリスン氏とともに、岡村和美消費者庁長官に陳情を行い、アニマルウェルフェアを含めたエシカル消費の重要性について訴えさせていただきました。長官だけではなく、同席の審議官や「倫理的消費」調査研究会事務局の皆さまからもたいへん前向きなご発言をいただき、心強く思っておりました。
この陳情につきましては、福島瑞穂参議院議員もご協力くださり、当日も同席をくださいました。