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【アメリカ】FDA(食品医薬品局)近代化法案が上院を通過! 新薬開発において動物実験は義務ではなくなる

9月29日、アメリカ議会上院で、新薬開発における動物実験の義務づけを撤廃する、超党派の「FDA(食品医薬品局)近代化法案」が全会一致で可決されました!
法案提出者の一人であるコリー・ブッカー上院議員のリリース
この法案は、被験物質を臨床試験でヒトに使用する前に動物で試験することを義務付けている、時代遅れのFDAのやり方を終わらせるためのものです。
既に下院を通過していましたが、法案に加えられた変更を調整するため、下院に戻され、新たな採決を行う必要があるとのことです。
最終的に修正法案が下院を通過し、成立すれば、新薬開発者が動物実験なしで新薬を市場承認に出す選択肢がようやく可能になります。
この動物実験の義務化撤廃は、年内に実現しそうとのことです。
ただし、この法案は、製薬会社が引き続き動物実験を行うことを妨げるものではありません。
新たに修正された法案には、既存のバイオ医薬品と構造や機能が非常に近い医薬品である「バイオシミラー」について、動物実験の要件を撤廃する条項(動物実験削減条項)が含まれているとのことなので、より具体的になっているように思います。
日本にいると何のことやら驚かれるかもしれませんが、動物実験は、動物での反応を見る手段に過ぎず、そのことが新薬開発においてむしろネックになっていることが認知されている社会では、法律もこうして変わっていきます。
世界は、「NAMs(New approach methodologies」の名のもとに、動物に頼らない新しい評価法の体系を構築しようとしています。その流れを法的にも後押しする必要があります。
FDA近代化法を実現させるためのアクションサイトより抜粋

MODERNIZE TESTINGより

ヒトの新薬の安全性や有効性の確認のために動物実験を求めるFDAの80年以上前の医薬品開発スキームは、21世紀の科学の進歩に追いついていません。

1.アメリカにおけるヒト用医薬品のための動物実験要件は、1938年にさかのぼる。82年経った今でも、同じように要件が残ったままだ。

2.処方どおりに摂取された場合の薬物の有害な副反応(ADR)は、アメリカで4番目に高い死因となっている。ADRの主な要因は、前臨床段階での動物実験が不適当なことにある。

3.前臨床試験で動物に毒性が生じない場合、ヒトでの毒性の可能性を予測することは、ほぼできない。

4.最近の研究では、ヒトのADRの63%が動物では起きていないことが示されている。

5.動物で安全かつ効果があるとされた薬の95%が、その後のヒトでの臨床試験で失敗している。

6.動物実験は、医薬品開発プロセスを遅らせ、必要な治療を遅らせる。新薬が市場に出るまでに10年かかる。

7.我々は1世紀近く、動物の生物学に基づいて薬物をテストしてきた。動物実験に基づく現在のシステムは、ほころびを見せている。焦点をヒトの生物学に当てる必要がある。

8.新薬に対するヒトの反応をより正確に予測するために、ヒトに適合した細胞ベースの試験法や、臓器オンチップモデル、ヒトオンチップモデル、高度なコンピューターモデルなどが開発されたが、FDAは、規制において、これらの優れたモデルを公式には認めていない。これにより医薬品メーカーは劣った動物モデルを使わざるを得ない。

9.変化への抵抗や自己満足は、イノベーションや近代的なテクノロジーに道を譲るべきだ。

10. 最新のヒトに適合した「生体模倣システム」(MPS:Microphysiological Systems)を使用すると、医薬品開発期間は半分となり、研究開発コストを5分の1にできるため、医薬品価格を大幅に下げられる。

FDA近代化法成立を求めて活動していた団体「CAARE」の記事
Citizens for Alternatives to Animal Research

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