メールニュースではお知らせしていましたが、次の5年間の日本の科学技術の方針を定める「第5期科学技術基本計画」の答申案のパブリックコメントの締め切りが本日です。
一度、こちらのエントリでご紹介した通り、基本計画の検討の議論は、内閣府の基本計画専門調査会で行われてきました。各々の議員が関心のあるところをばらばらと述べているだけで、あまり見るべきものがあるようにも感じられず、傍聴のご報告があまりできていなくて申し訳ありません。
主に、科学研究を行う人をどう育成するか等の話に委員の関心が偏っているように思います。社会や倫理と言った話題も、重要性を感じている人はごく一部で、科学に関わる人には特にイメージがわかないので深い議論にならないのではないかと感じます。
形が見えてきたと思ったらすぐにパブコメで、しかも1カ月間行うと言っていたのに2週間のみ。素案がどこで読めるのか、URLすら内閣府掲載の募集要項には載っていない不思議な(やる気があるのかどうかわからない)パブコメですが、間際に一言だけでもぜひお送りください。(下記のe-govのページであれば対象文書が読めます)
動物実験を代替していくための科学予算が乏しい状況には、そもそも科学技術政策に関わる人たちにその意識が薄いことが挙げられると思います。ぜひ、「動物によらない科学技術の進歩を目指すべき」とのご意見をお送りください。
意見対象の文書は以下の通り。
メールでの送信しか受け付けていないそうですので、こちらからお送りください。
- 意見送信メールフォーム:
https://form.cao.go.jp/cstp/opinion-0136.html(既にリンク切れ)
提出は章ごとに指定、もしくは全般に関して意見を送ることができます。例えば、以下のようなところが関係してきます。
<第3章>
15ページ「世界最先端の医療技術の実現による健康長寿社会の形成」
○動物によらない試験研究の分野で日本が遅れをとらないように、きちんと計画の中に盛り込むべき。
<第6章>
42ページ「倫理的・法制度的・社会的取組」
○計画案にはガイドラインとしか記載がないが、「法律の整備」を明確に盛り込むべき。
○「動物倫理」についても文言を盛り込むべき。素案には先端研究のことしか書かれていないが、日本では既存の基礎研究において動物倫理の取組みに遅れが見られる。
○科学研究の実施を国民が阻止することができる仕組みを作るべき。
ちなみに、まだ素案も一部欠落があり、完成した状態ではありません。パブコメ後も議論がなされますので、締め切り後でもぜひご意見お送りください。よろしくお願いいたします。