▼ウェブサイトの記載
日本国内の現時点でのAAALAC認証取得施設を調べたので、一覧を掲載しました。
この認証制度は、AAALACインターナショナル(国際実験動物管理公認協会)という民間団体による動物実験施設の認証制度であり、もともとはアメリカの民間の基準をもとにできた認証制度だったものが国際的に広がったものです。
つまり動物実験を行う人たちの団体による動物実験施設の「優良」認定制度のようなもので、動物実験をなくせという批判から「一定の水準をクリアしているのだからいいじゃないか」と動物実験を守るための制度ではありますが、それでも、日本がバラバラと3つほどつくった大雑把な基準による外部検証制度よりは求められている水準が高く、細かいルールもある分、「マシ」(意識高め?)に感じられます。
そのAAALACの認証取得済み施設ですが、2016年時点の一覧と比較して、おかしいな?と思ったのが千寿製薬株式会社です。2016年にダウンロードしたリストには確かに載っていますが、現在はAAALAC公式サイトのデータベースには入っていません。
AAALACの認証は、施設規模に応じて年間の維持費がかかりますし、3年に一度の再訪問と再評価を経なければ継続できませんので、認証が続かないことは十分考えられます。認証施設ではなくなったのにウェブサイトに堂々と載せているなら大問題です。
そう思い質問してみたところ、千寿製薬のホームページの管理責任者から回答がありました。
まず、弊社ホームページに事実と異なる記載がございました事、深くお詫び申し上げます。
今回、ご質問頂きました「AAALAC認証」に関してですが、2019年2月に弊社研究所を移転させていただきました際、AAALAC認証を返上いたしました。
しかしながら、私共の不手際でホームページ記載の削除が実施できておらず、東様をはじめ、弊社ホームページをご覧になられた皆様に、
誤った情報を提供しておりました事、誠に申し訳ございませんでした。本日、AAALAC認証取得に関する情報を削除させていただきました。
弊社といたしましては、移転先の研究所におきましても、AAALAC認証取得を目指して取り組んでいるところでございます。
この度のご指摘、誠に有難うございました。
あくまでウェブサイト担当レベルの不手際と言いたいのだと思いますが、やはり今年2月に認証は返上していました。
新しい施設というのは、また一から作り上げるわけですから、たとえ以前の施設が認証レベルだったからといって、いま同じレベルでやっているとは限りません。仮に施設のスペックが上がっていたとしても、使うほうの意識や管理がそれに追いついていなければ意味はありません。AAALACの訪問を受けて認証を再度取得するまで、ウェブサイトでも表示をすべきでないのは当然です。
今現在、サイトから表記は削除されていますし、意図的か非意図的かもわかりませんが、あまりにずさんではないでしょうか。
ちなみに、動物実験施設の届出制のある兵庫県内での移転でしたので、所管する神戸市にも確認しましたが、新しい研究所で届け出は出ているそうです。
新研究所は、住所を見ると、以前アスビオファーマの研究所だったところでした。以前より動物を扱う規模が大きくなるのか等、追加で質問をしています。
▼アスビオファーマは、去年、第一三共に吸収合併。
▼今は千寿製薬の看板に。
▼神戸市のバイオ誘致看板。なぜか神戸どうぶつ王国が目と鼻の先。