動物実験に関する相互検証プログラムが意見を募集中

意見をお送りください 11日、国立大学法人動物実験施設協議会(国動協)と公私立大学実験動物施設協議会(公私動協)の加盟施設(つまり、大学の動物実験施設)を対象に行われている「動物実験に関する相互検証プログラム」の公開評価会が行われたので、参加してきました。

 このプログラムは、動物実験の3Rしか盛り込まれなかった2005年の動物愛護法改正の後に、「結局、日本には動物実験を適正化させるような仕組みが何もないではないか」という批判を逃れるために大学関係者が立ち上げた、相互検証の仕組みです。相互検証ですから、検証する人は、他の大学の同業者になります。動物実験施設の管理者が、大学の施設をお互いに訪問しあって評価する形で、合格・不合格を与える認証制度ではありません。

 なぜこの仕組みになるのかといえば、海外のように行政官が法律に基づいて立ち入り検査をする仕組みにはしたくないからです。法規制を拒否するためにこういったものを立ち上げて、外部のチェックが入っているとしたいわけですが、この制度も5年目を迎えており、そのプログラム自体が適切なものか、評価を行うために開催されたのが昨日の企画でした。

 当日は、6名の評価委員が選ばれており、その6名に向けて、この5年間のまとめ・分析がプレゼンされ、それに対してその6名から事実確認や評価コメントなどがなされる形になっていました。それを公開で行い、透明性を高めようというわけです。プレゼンされた内容は、アンケートなどもあり、想像したよりは細かったように思いますし、企画としても面白いと思いましたが、やはりいろいろな問題点が出てきていました。「概ね良好」との評価もありましたが、そうなってしまうこと自体が問題という感じです。

 特に、問題なのは実施数です。国動協・公私動協を合わせて加盟施設は153とのことですが、全国に動物実験をしている大学は460前後あるので、加盟率は3分の1程度にしかなりません。さらにその中で相互検証を受けたのが62ですから、実施率はかなり低いことになります。このことが最も問題視されたように感じます。

 また、途中の議論の中で、大学ごとの特色として評価されているさまざまな項目について、チェック項目化してもっとわかりやすくしたほうがいいのではないか等の指摘があり、現在の検証項目が文科省の動物実験指針に適合しているかどうかという乏しい内容に限られていることの問題が露呈していました。

 このことについては、指針に反映させるべきものが見えてきたということでもあり、最後の質疑応答時間には、逆に指針に盛り込むよう文科省に働きかけをして、改正をするべきではないかと発言させていただきました。

 また、そのとき疑問を呈させてもらったのは、検証する専門委員が訪問先の大学から謝金をもらって検証を行っているという形態についてです。プログラムを受けるための費用は、たった2万5千円で、それで何ができるのか?と思わざるを得ない金額ですが、そこには人件費は含まれておらず、委員への謝金は、プログラムを受ける大学が支払うのだそうです。大学の非常勤講師の手当てに準じて支払われているようだとのことですが、どうしてくれという目安も定められておらず、受け取った金額の報告も必要ないそうです。

 これで公正な検証ができるのか大変疑問ですが、各専門委員の検証の甘さ・辛さのばらつきを指数化した甘辛指数をみると、ほとんどばらつきがないので、おそらくそもそもが大して差が出るような設問になっておらず、問題になってこなかったのではないかと思いました。

 ちなみに、質疑応答時間はほとんどなく、メールでコメントを受け付けるとのことでした。この日プレゼンされた詳細については資料がないとコメントできないかとは思いますが、各大学の評価結果はそれぞれの大学のHPで公開されていますし、改善点等思い当たる方は、ぜひご意見をこの機会にお送りください。締切は19日です。

動物実験に関する相互検証プログラム検証委員会事務局
sougoken@kuba.jp

■日本の自主管理について

 この日は、2005年当時の改正を主導した元環境省・動物愛護管理室長の東海林克彦氏がコーディーネーターをしており、日本の動物実験に関する枠組みについて、「動物虐待罪の対象に実験動物や畜産動物も入っているのだから、全くの自主管理ではない」と説明していました。

 しかし、実際には条文に「みだりに」の言葉の言葉が入っており、実験動物に対して行われる虐待は「科学の目的のため」として正当化され、動物虐待罪の対象にはなっていないのですから、ほとんど詭弁に近い言い方としか思えません。また、実際改正当時は「自主管理」一本やりで、ここまでのことは言っていなかったと記憶しています。

 このときの改正は、地方自治体の動物愛護行政を推進させ、動物取扱業の規制の強化にもなった重要な改正でしたが、動物実験については、日本のおかしな縦割り行政を強化・固定してしまった弊害が顕著でした。日本には現在、ほかにも第3者評価が2つもあり、それ自体も是正が必要だと思います。

参考:動物実験に関する相互検証プログラム

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