犬吠埼マリンパークは運営会社の代表取締役に変更あり。取扱業の登録申請者も変更済

犬吠埼マリンパークについて、この記事を今アップすることにはタイミングとしてあまり気が進まないのですが、なぜか2、3か所の取材が再び動き始めているため、こちらでもともと把握していた事実関係だけ公表いたします。

その前に私たちがハニーを見捨てたかのような誹謗中傷がネット上なされており、もともとハニーの情報をキャッチし、呼び掛けていた複数の団体はかなり頭に来ています。これまでの間、海外のサンクチュアリに頼るのもよいが日本沿岸の海の環境を利用してサンクチュアリをつくることがベストと考え、自治体の長とも面談するなど努力は続けてきました。しかしこの話が進められない状況なのは、日本の鯨類を取り巻くもっと大きな状況が変わったこと、それに対し海外を含めた保護側の理解が得られないことが原因であり、私たちが何もやっていないからなどと勝手な想像を書かれたりしていることは非常に心外です。

この状況ではどうなることか不安もありますが、日本でサンクチュアリを実現させるためのアクションは続けていきたいと考えていますので、ご理解をいただける方はぜひ引き続きご支援・ご連絡いただければ幸いです。

ただし、私たちは水族館のイルカショーを容認する世論自体を変えていきたいのであり、単にハニーを救いたいだけの活動をしたいわけではありません。苦しんでいるのはハニーだけではありません。水面下で動かなければならない事柄を、いちいち公表したりできるはずがありません。これらの点を理解しないような期待はかけないでいただきたいです。

前置きが長くなりましたが、犬吠埼マリンパーク株式会社は3月27日に代表取締役が中国人女性に代わっており、4月20日に第一種動物取扱業の登録申請者の変更も出ています。5月時点で土地・建物の登記に動きはありませんでしたが、法人登記のほうが変わっていました。これまでの法人役員に加え、新たに代表者が法人に加わる形で、事業譲渡がなされたということだと思います。

第一種動物取扱業規制に基づく指導監視

水族館再開の話については、第一種動物取扱業登録業務を所管する海匝保健所(海匝健康福祉センター)は「何も言える立場にない、再開されるとしても言えない」※と、これまで同様、何も明かさない態度を継続していましたが、6月に入り法人代表者変更について指摘したところ、やっと代表者を変えて再開の方向性であることは認めました。ただし、イルカショーがどうなるのかなど詳細は保健所が言わない(聞いていないのかどうかはわからない)のは、これまで通りです。

〔※海匝健康福祉センターに水族館再開を確認したと公表している団体がありますが、その団体のことを保健所(海匝健康福祉センター)は知らず、問い合わせはなかったし再開するなどとどこにも言っていないと、当時述べていたことを補足いたします。〕

保健所による動物愛護法に基づく立入検査はその後も継続されており、毎回特に公表してきませんでしたが、最後は5月28日でした。保健所は、ハニーの状態は変わらない、泳いでいるし健康状態に問題はない、今後のことは言えないし具体的な話を聞いているわけではない、ペンギンは死んだりしたかどうかまで数を数えて把握はしていないが問題はないと、毎回言うことは変わりません。

ただし、犬吠埼ホテルでペンギンがふえていることは認めています。あの極小の虐待的な施設がますます過密になっていますが、数値基準がないから指導できないという態度であることも(全国どこでも同じですが)変わりません。

この問題については、改正法の施行までにどの程度基準強化できるのかが問題になってきますが、犬猫以外にはあまり期待ができないのが日本の状況です。ただし、ハニーのことが影響してなのかどうかわかりませんが、動物愛護法改正の最終局面で環境省が容認の態度を見せ、私たちが強く要望してきた廃業後の立入り検査規定が新たに改正法に盛り込まれました。

また、犬吠埼マリンパークに対しては、外国の弁護士からの依頼により、国内の弁護士事務所が動物虐待罪での刑事告発も行ってくださっていましたが、これについては受理されないままクライアントが撤退したとの連絡をもらっています。日本の法の運用では、あのような飼育環境かつ単独飼育であっても刑事事件化は難しいと思いますし(イタリアでは似たような施設が最近動物虐待で有罪になりました)、去年4月頃にハニーが斜めになって浮いたままで動かず、背中の傷みも激しかった状態からは回復しているということもあったと思います。警察も現地には行ってくれていました。弁護士の感触では、警察の感触は決して悪くなく、専門家がハニーの状態を見ることもできない中、鯨類の適正飼養について公式に認められたスタンダードがない国で告発の条件を整えることに難しいものがあったと受け止めています。

自然公園法の規制も受ける

自然公園法について詳しいわけではないので、特に言及してきませんでしたが、犬吠埼マリンパークの所在地は水郷筑波国定公園内にあり、勝手に土地を開発したり事業を行ったりすることはできません(第2種特別地域)。事業を行うには県知事から許可を受けるか、もしくは公園事業として認可されなければなりませんし(犬吠埼マリンパークは後者の事業者)、大きな開発行為は県の審議会の審議・承認を経なければ実施できません。

認可を受けた事業者が、例えば外壁塗り替え等、軽微な改装を行う場合であっても、事前に県に相談が必要です。何も手続きせずに工事できるレベルか、もしくは許可申請を出す必要があるか、さらには審議会にかけるほど大きなものかどうか県が判断する必要があるので、どのような軽微なものであっても必ず事前に相談するようにと指導しているそうです。

犬吠埼マリンパークについては、事業譲渡がされるのであれば自然公園法上の手続きも経なければならないはずだと考え、千葉県に問い合わせを継続してきましたが、4月、5月時点で特に何の動きもないとのことでした。しかし、6月に入り再度問い合わせたところ、事業者側から連絡があったとのことでした。まだ工事に関する具体的な相談ではなく、事業者の代表者の変更についての相談とのことです。(追記:その後、代表者変更の手続きがとられました。こちら

以上のことから、現地での事業再開の動きがあることはかろうじて確認はできていますが、詳細は不明です。老朽化したまま単なる再オープンであれば話は別ですが、リニューアルが必要だろうと考えると、6月再開という話は無理ではないかというのが正直な感触です。またメディアから入ってくる情報の感触では、本当にイルカ・ペンギンも含めた再開なのか疑問に感じる部分もあります。これについては報道を待ちましょう。

私たちも新しい代表取締役に向けてレターを出したところですが、皆さまからも引き続き、ハニーを今後どうするのか問い合わせるハガキ・お手紙の送付をよろしくお願いいたします。

意見送付先

犬吠埼マリンパーク株式会社
代表取締役 王静 様

〒288-0012
千葉県銚子市犬吠埼9575-1

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