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伊東市富戸のイルカ追い込み猟:世界中から200を超える団体が「伊豆半島ジオパーク」の認定取り消しを要望

富戸イルカ追い込み猟中止を求めるアクション

静岡県のいとう漁協富戸支所によるイルカ追い込み猟再開の公表を受け、PEACEおよび認定NPO法人アニマルライツセンター(ARC)は、18日、ユネスコの国際地質科学ジオパーク計画(IGGP)に対し「伊豆半島ジオパーク」の認定取り消しを要望するレターを送付しました。伊豆半島が「世界ジオパーク」の認定を受けたのは昨年ですが、その前の2015年の審査では、イルカ追い込み猟が実施されていることなどが理由となり、一度認定保留となっています。

この要望書には、国内および東アジアから21団体のご賛同をいただき、計23団体連名で送付をさせていただきました。ご賛同くださました団体の皆さまに御礼申し上げます。

また同日、国際的な動物福祉団体の連盟である「Asia for Animals」(中心団体21団体)と、中国本土の鯨類飼育問題に取り組む「China Cetacean Alliance」(9団体)が連名で、同主旨の要望書をユネスコIGGPに対し送付しました。

このレターには、賛同団体を含めると183団体が名を連ねます。全世界で200を超える団体がユネスコに対し要望を提出したことについて、本日プレスリリースも出しました。要望書の内容はこちらをご覧ください。

▼今はまだ静かな伊豆富戸港…15年ぶりのイルカ追い込み猟は実施されてしまうのか?
富戸

ちなみに、いとう漁協富戸支所によると、2004年を最後にイルカ追い込み猟が行われていなかったのは、イルカが来ているときに船を出すタイミングが合わないなどの理由で実施できなかっただけであって、これまでも特段中止をしていたという認識ではないとのことです。

富戸では、サンマやイカを追って南下してくるイルカを捕獲するので、時期としては11月~12月。実施していなかったブランク期間による技術的問題や、以前にはなかった湾の真ん中の定置網にイルカが入らないようにしなければならないなど条件も変わっていますので、本当にイルカが捕獲されてしまうかどうかはまだわかりませんが、再開は伊豆半島のイメージを著しく傷つけるものであり、ユネスコへもこのことを知らせたく要望書の形をとりました。

今期の猟は食肉用には捕殺せず、生体捕獲だけにするそうですが、殺さなければ批判がないかのように受け止められていることも非常に問題だと私たちは考えています。

イルカたちは、追い込みそのものでパニックになり、ぶつかり合い傷つき血を流し、ショックなどで死んでいきます。2004年の最後の猟も生体捕獲のために行われましたが、死亡したイルカは食肉用に解体され、自家消費に回りました。(イルカ肉としての販売には回さなかったとのこと) 今期は、死体も食肉用にはせず、処理については静岡県や水産庁とも協議済みとのことで、死なないようにしたいとは言っていますが、可能でしょうか。追い込み・捕獲だけでなく、水族館への輸送や、搬入後のストレスなどでもイルカは死んでいきます。

そして何より、生き延びたとして、待っているのは、水族館の小さなタンクをぐるぐる回る泳ぐことしかできない、本来の生を奪われた生活です。死んだ魚を与えられ、見世物のために不自然な芸を強いられ、見た人たちに人間はイルカを奴隷のように搾取して儲けてもよいのだと教えてしまう水族館、それをユネスコが許容するのだとしたら、問題です。

忘れてはならないのは、猟の実施を促しているのは伝統でも何でもなく、水族館からの注文だということです。その裏には、小さなプールに閉じ込められたイルカの芸を楽しむ無数の人々がいます。どうか、野生動物を消費する水族館産業を支持しないでほしいと広めてください。

※水産庁が静岡県のいるか追い込み漁業に対して設けている今期の捕獲枠は以下の通りです。

水産庁令和元(2019)年度漁期のいるか漁業の鯨種別捕獲枠より

かまいるか 26匹
はんどういるか 24匹
おきごんどう 7匹
計 57匹

▼どの水族館が富戸に注文しているのかは明かされていない。関東の水族館と報じられているが、日本動物園水族館協会に加盟していないところになるだろう。脱退した水族館もいくつかある。


プレスリリース

2019年10月21日
伊東市富戸のイルカ追い込み猟再開への抗議として
世界中から200を超える団体が
ユネスコに対し「伊豆半島ジオパーク」の認定取り消しを要望

2004年を最後に15年間実施されて来なかった伊東市漁業協同組合「いとう漁協」富戸支所によるイルカ追い込み猟が、本年より再開されるとの公表がありました。伊豆半島は、2018年にユネスコの正式プログラムである「世界ジオパーク」の認定を受けていますが、イルカ追い込み猟再開はその理念に反するものです。
これを受け本日、認定NPO法人アニマルライツセンター及びPEACEの2団体の呼びかけにより、以下のアクションがとられましたのでお知らせいたします。

  • 日本を中心として活動する23団体が連名で、ユネスコの国際地質科学ジオパーク計画(IGGP)に対し、伊豆半島の世界ジオパーク認定取り消しを求める要望書を送付。
  • 国際的な動物福祉団体の連盟である「Asia for Animals」(中心団体21団体)と、中国本土の鯨類飼育問題に取り組む「China Cetacean Alliance」(9団体)が連名で、同主旨の要望書をユネスコIGGPに対し送付。賛同団体を含めると183団体が名を連ねる。

【背景及び主旨】
ジオパーク認定は、2015年の審査では一度保留となっており、その理由の一つにイルカ追い込み猟が実施されていることが挙げられていました。本年10月1日の漁期より再開されるイルカ追い込み猟では、水族館への生体販売のみを目的とすることでイルカを殺すことへの批判を回避しようとしていますが、2004年に行われた最後の猟でも、生体捕獲を目的として実施されたものの、追い込み作業によって死亡したイルカは食肉として解体されました。
生体捕獲を目的とした猟であっても、イルカは傷つきパニックで死にます。そして何より、野生動物を捕獲し搾取する行為であることに変わりはありません。単に人々の一時の安易な娯楽のためにイルカが利用され、長年に渡り、狭くて浅いプールに監禁されることになります。

イルカの展示やイルカショーへの国際的な批判が高まる中で、日本における水族館ビジネスは過熱する一方です。世界動物園水族館協会の倫理規約を受け、日本動物園水族館協会も野生からのイルカ捕獲を禁止しています。死んだら野生から生け捕りにするという「野生動物の消費」を、イルカショーの人気が支えており、それをユネスコが容認することはあってはなりません。

ジオパークの概念である「自然保護」「教育」「持続可能な開発」に著しく反したイルカ追い込み猟が、「伊豆半島ジオパーク」内で行われることに抗議し、「伊豆半島ジオパーク」の世界ユネスコによるジオパーク認定の取り消しを求めました。
※全文及び日本からの賛同団体一覧は、別紙要望書をご参照ください。

本件問い合わせ先:
認定NPO法人アニマルライツセンター
PEACE 命の搾取ではなく尊厳を

別紙 ※要望書日本語版

2019年10月21日

国際地質科学ジオパーク計画(IGGP)
Kristof Vandenberghe殿

要望:静岡県伊東市富戸「いとう漁協」が生体販売を目的としたイルカ追い込み猟を再開しました。「伊豆半島ジオパーク認定」を取り消してください。

私どもは、日本を中心に活動する動物保護団体です。日本では、2018年に伊豆半島がジオパークの認定を受けていますが、同ジオパーク内では、伊東市漁業協同組合「いとう漁協」が15年間行われてこなかったイルカ追い込み猟を再開すると発表しました。これまでは食用も含む捕獲でしたが、2019年10月1日より再開されるイルカ追い込み猟では水族館への生体販売のみを目的としています。しかし、野生動物を捕獲し利用するという行為に変わりはありません。捕獲されるイルカは、調査研究のためでもなく単に人々の一時の安易な娯楽のために利用されることになります。また長年に渡り、狭くて浅いプールに監禁され、アニマルウェルフェア上の課題も甚大です。これは食用のために利用するよりも悪質な自然破壊かつ動物虐待であると考えられます。

いとう漁協が行うイルカ追い込み猟とは、和歌山県太地町で行われている猟と同様のものであり、海中に入れた金属の棒の片方を叩き、金属音で音に敏感なイルカを極限の恐怖とパニック状態に陥れて湾に追い込むものです。

捕獲されたイルカは生簀に入れられたショックや長距離輸送のストレスで命をおとします。水族館の人工の水槽ではストレスや肺炎、感染症などの病気に苦しむため、イルカの死亡が相次いでいます。

イルカの展示やイルカショーへの国際的な批判が高まる中で、日本における水族館ビジネスは過熱する一方です。死んだら野生から生け捕りにするという「野生動物の消費」を、イルカショーの人気が支えており、それをユネスコが容認することはあってはならないことです。イルカに対する間違った認識と教育は、保護の観点からも看過できるものではありません。

また、海洋汚染や混獲などで生息数が減少しているイルカの捕獲は、海の生態系にも大きなダメージを与えかねません。
ジオパークの概念である「自然保護」「教育」「持続可能な開発」に著しく反したイルカ追い込み猟が、「伊豆半島ジオパーク」内で行われます。これに対し、「伊豆半島ジオパーク」の世界ユネスコによるジオパーク認定の取り消しを求めます。

認定NPO法人アニマルライツセンター
PEACE 命の搾取ではなく尊厳を

以下の賛同団体を代表して(五十音順):

あしたへの選択
アニマルウェルフェア推進ネットワーク
アニマルライツ中部
特定非営利活動法人 地球生物会議(ALIVE)
アラム企画
公益財団法人動物環境・福祉協会Eva
尾久の原公園クリーンプロジェクト
海洋環境保護団体 ホットピンクドルフィンズ
NPO法人Tier Heim KOKUA
NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)
豊田地域猫の会
名古屋地域猫市民ボランティア アイラの会
新潟動物ネットワーク
日本動物生命尊重の会
Heal The Oceans Japan
ファームサンクチュアリ オープンセサミ
ベジライフ推進部
ヘルプアニマルズ
ホーム・アニマル・ソサエティ(HAS)
北限のジュゴンを見守る会
保護猫カフェ ねこかつ


▼日本動物園水族館協会はイルカ追い込み猟から野生イルカを導入しないことを決定している
日本動物園水族館協会が追い込み猟からイルカを入手しないことを決定!

▼富戸イルカ追い込み猟のページ
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