「ペット」のコツメカワウソちぃたん☆が観光大使って、須崎市もどうなの? 

※追記:2019年1月17日づけで、ちぃたん☆の観光大使は解任されました。(詳細はこちら
解任前に公開したブログの記事を以下に残します。


カワウソちぃたん☆が本当にペットなのかどうか問題はさておき、ちぃたん☆を観光大使に任命した高知県須崎市に呆れた話、です。

野生動植物の国際取引の監視を行う「トラフィック」のカワウソ流通の緊急評価報告書についてご紹介しましたが、その前に今年6月にもカワウソの違法取引に関する報告書が同じトラフィックから公表されていました。

これを受けて、2015~2017年に東南アジアで密輸されようとして押収された59頭の生きたカワウソのうち、少なくとも32頭が日本向けであったことについて、報道が相次ぎました。

日本のカワウソブームが密猟・密輸を誘発している可能性があり、このままでは絶滅の危険性が高まってしまいます。

そこで気になるのは、ブームを代表する存在であるコツメカワウソのちぃたん☆です。ちぃたん☆は、芸能プロダクション所属のタレント動物で、初登場のツイートでは幼いきょうだいと共に写真に写っていますが、産んで授乳中であるはずの母親の姿は見えません。

その後のツイートを見ても、相当に幼い時期に母親と引き離されていることがわかります。そのこと自体が非常に問題ですが、一般的な展示施設(動物園とか水族館とか)の生まれでないこともわかってしまいます。そんなに早く引き離すはずがないからです。体のサイズ的にも密輸ではないか心配になりますが、事業者が公表している公式プロフィールでは繁殖個体となっています。直接聞いてみてもそう答えるでしょうが、何らか回答を得たとして、その信ぴょう性を確かめる手段は思いつきません。

そこで、今年1月にちぃたん☆を観光大使にした須崎市であれば、行政機関であるし、どこで繁殖されたのか証明書等確認しているのではないか?と思い、担当課に電話をしたところ、驚くべきことにコツメカワウソがCITES付属書II掲載種であり輸入に規制がかかっていることや、密輸が横行していることなど、一切知らなかったので、ビックリ仰天!!!してしまいました。

挙句の果てには、密輸を誘発するカワウソブームを牽引しているちぃたん☆のようなカワウソを観光大使にすることについて、何か問題があるのか、じゃあ専門家がペットの飼育をダメだと言うのか等、自然保護・野生生物保護の世界を全く知らない状況にあきれ果ててしまいました。

こちらからも、では須崎市がこれまでかかわってきた野生のカワウソの研究者に聞いてみればいい、外来のカワウソのペット飼育などしていいと言うわけがないと教えましたが、そんなことがあるわけがないと決めつける様子でした。まして、ちぃたん☆の飼い方も生態を配慮しておらず明らかに問題だと言っても話が通じません。みんながあんな風に飼ってるからあれでいいんだレベルのお粗末さです。

こう言っては悪いですが、全く情報が届いていない日本の辺境に電話してしまった。どーしたらいいの、コレ?でした。

須崎市は本当に二ホンカワウソが今もいたらいいなと思ってキャラクターにしているのでしょうか…いえいえ、実は根本的なところを誤解していた、と思いました。かわいいゆるキャラが使えればそれでいいだけだったんです。自然を守るとか、絶滅危惧種がどうとかとか、全然どうでもよかったんです。地元おこし、これがカワウソの使命です(涙)。

そして、大使に任命した理由は、ちぃたん☆のテレビ番組で一緒になったからという実に安易なものでした。

カワウソブームがペット飼育を煽り、挙句に密輸がふえている状況があるのに、行政としてあまりに意識が低すぎではないでしょうか。

コツメカワウソについては、はっきり言って当会にも、あそこのコツメが密輸だ、あそこのものも密輸だと、様々情報提供はきます。しかし、仮に密輸を突き止めたとしても、立件に至るにはハードルがあることも理解しています。

その理由を裏返せば、逆に、合法な繁殖個体がいたとしても、本当に合法だと立証するのは難しいということになります。ちぃたん☆についても、安易に行政が観光大使等でお墨付きを与えるのは軽率としか思えません。

が、須崎市は、立証がどうとか以前にCITESも知らなかったんです。そんなあ。愕然。

そこで、少し時間が開いてしまってからですが、須崎市長に対し8月に質問書を送りました。説明の手紙もつけて送りましたが、質問部分は以下の通りです。

【質問事項】
1.飼い主がちぃたん☆を入手するまでの取引ルートは全て合法ですか。繁殖個体だと主張される場合、ちぃたん☆の両親やそのまた親等、さかのぼってもすべて合法でしょうか。カワウソちぃたん☆のブログの写真をさかのぼっても、ちぃたん☆が親と一緒にいるところは確認できません。もし、ちぃたん☆は違法に密輸された個体ではないと須崎市がお考えの場合、その根拠をお示しください。

2.コツメカワウソ密輸に関する新聞記事でも、研究者が「日本の誤ったペットブームが違法取引を誘発している」と述べています(添付資料参照)。須崎市は、現時点でもまだ、こういった認識を持つには至っていないのでしょうか。ちぃたん☆を行政機関が公式に認めることで、「日本の誤ったペットブーム」を公認してしまうことになるとはお考えにはなりませんか。

3.貴殿はそもそもカワウソのペット飼育についてどのようにお考えですか。二ホンカワウソが日本に仮にいたとして、ペットにしてよいとお考えですか。外国のカワウソならペットにしてもよいというお考えなのでしょうか。海外の生態系なら破壊されてもよいとお考えですか。
(※ペット飼育がいかに動物福祉かなっていないかは、質問にはせず、手紙で書いて送りました)

4.ちぃたん☆の須崎市観光大使の任命は解除するのが妥当と考えます。市として、いつご決断いただけますでしょうか。

これに対して、回答は以下の通りでした。全く答える気はないようです。

須崎市に意見を送ろう!

未だにちぃたんの公式プロフィールから須崎市観光大使の肩書が消えません。須崎市に対し、大使任命はおかしいと思うと伝えましょう。

須崎市メールフォーム

※観光大使は解任されたため、呼びかけを削除しました。ご協力を大変ありがとうございました!

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