レニングラード国立舞台サーカス 酷暑の中、ヒグマ巡業開始…

全国16カ所を20日間で回るレニングラード国立舞台サーカスの興行が、7月24日から始まっています。飯能と志木の会場では、なんママさん主催のチラシ配りのアクションがあり、志木の会場で参加してきました。

クマは保冷車で運ばれており、思ったより小さなトラックだったので、驚きました。中でクマが動くと、トラックが揺れていました。(動画参照

志木では、出番の前にべニア板でトラックの出口付近を囲い、逸走防止策としていましたが、反対側はビニールシートだけ。翌日の町田会場では、他の車を横付けすることで壁にしていました。

また、志木で、興行主である株式会社光藍社に要望書を渡しました。動物を利用するサーカスを今後行わないでほしいという内容です。

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これでも虐待ではない?

◆第一種動物取扱業に関する問題

今回のレニングラード国立舞台サーカスの興行では、第一種動物取扱業の登録に関して、不適切な状況がありました。まず最初にホームページに第一種動物取扱業に関する表示がなく、疑問に思ったところから調査を始めたのですが、全国全ての会場のチラシに埼玉県での登録番号等が記載されていることがわかりました。

1日ごとの開催なので、一見運用上問題がないように思われますが、埼玉県の登録申請関係書類を情報公開請求したところ、やはり興行主である光藍社が埼玉県の会場を利用できる期間は、埼玉県内で興行が行われる7月25日までであることがわかりました。このことは、飯能市の会館に電話で確認し、「埼玉県内の興行2日間は飯能市の住所での登録で行うと聞いていた。その後は聞いていない」と言われていた通りでした。

第一種動物取扱業の登録を行うためには、土地・建物について権原を有していることが要件となっているので、7月26日以降、光藍社は第一種動物取扱業の要件を満たさない業者ということになります。そのような業者に対しては、法律上は自治体が業の取消を行うことができますし、本来であれば廃業届を出すべき状況です。(実際には短期の営業終了後も登録が放置されているか、もしくは変更届で対応されている場合も多いとは思いますが、再び営業するとすれば、土地・建物の権原が必要になるのは自明のことかと思います)

概ね24時間以内であれば動物取扱業の登録が不要となるのは、どこか別の場所で登録を受けている業者のみですので、光藍社は、これには当たりません。埼玉県が業の取消を行うか、廃業届を出させるかすれば、7月26日以降の興行は無登録営業となるはずでした。

このことを全国の会場を所有する自治体に通知し、クマの興行を取りやめるよう要望を行いましたが、クマの来日を中止することはできませんでした。結果として、光藍社は全ての興行地で動物取扱業の登録申請をし、半数ほどの自治体では、当日もしくは前日の立入で現地確認を行ってから正式に登録となる予定です。(書類だけで登録できる自治体もあり、運用上統一されていない問題も浮かび上がってきました)

猛暑でクマの状態が心配ですので、すべての開催地で動物愛護行政の立入が行われることになったのは獲得事項ですが、なぜこういう興行が行えてしまうのか、改めて法律の弱さも実感します。

ちなみに、ヒグマは特定動物なので、特定動物の飼養許可の問題もありました。これについては、1か所で許可を受けていれば3日目までは届出によって興行することができるので、4日目ごとの開催地で許可をとらなければいけないということが今回わかりました。

またホームページは、その後いったん東京の光藍社の住所が入った状態で掲載されましたが、それは取扱業の登録を受けた事業所ではないので、埼玉の会場の住所に訂正させるということも起こりました。現在に至っても、光藍社のサイトには埼玉県の登録番号しか掲載されていません。

問題として残ったのは、チラシに埼玉県の登録番号が使われてチケットが販売されていたことです。現在、その後取得した正式な登録番号を書いた紙を渡して対応している会場もあるようですが、不適切な状態でチケットが売られた事実は残ります。

また、第一種動物取扱業の実施に係るチラシなどの広告やホームページには、以下の項目を記載しなければなりませんが、チラシの記載は不完全です。

  • 氏名又は名称
  • 事業所の名称及び所在地
  • 第一種動物取扱業の種別
  • 登録番号
  • 登録年月日及び登録の有効期間の末日
  • 動物取扱責任者の氏名

特に、「事業所の名称及び所在地」のうち所在地が記載されていなかったために、一見して埼玉県での登録番号だとわからない形になっていましたから、埼玉でしか登録していないことを隠す意図があったのではないかと感じました。

もちろん、前回の来日公演の際は、これらすべてが不適切なまま行われたわけですから、これでいいと本当に業者が思っていた可能性はあるとは思いますが、登録に際して土地・建物の権原が必要になることは提出書類からも明らかですから、おかしいと思わなかったのか?という疑問は感じます。

現在すでに全国行脚中ではありますが、こういった興行形態は、はっきり言ってしまえば法律の想定外なのだろうと思います。クマに何も起こらないことを祈りつつ、今後の法改正へ向けて、どうアクションすべきか考えていかなければいけないと思います。

▼町田公演
出演前、会館に入るところです。トラックの荷台から降ろそうとしているが、高い。

レニングラード国立舞台サーカス

レニングラード国立舞台サーカス

レニングラード国立舞台サーカス

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▼志木公演
運ばれてきた保冷車です。

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▼動画
手ぶれもあるのでわかりずらいのですが、トラックが揺れている様子と、出演前の準備中のクマの声です。

動物のいないサーカスを! 

過去に日本には、ロシアからレニングラード国立舞台サーカスも来日していました。2015年の全国興行時に、第一種動物取扱業の…

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#レニングラードサーカス #サンクトペテルブルク #ロシア #circus #熊 #くま
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