かなり遅くなってしまいましたが、活動報告です。7月27日、犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟の第9回動物愛護法PTがあり、アドバイザリーとして参加してきました。
この日は、印象に残ったことが2つあったのですが、そのいずれについても、動きがあったので、時間が経ってしまいましたが報告としてアップしました。
犬猫移動販売について
この日はまず、6月1日に施行された新しい飼養管理基準の内容や運用に関して環境省から説明がありました。その中で印象に残ったのは、「まだ施行されたばかりなので運用状況について報告はできることはあまりないが、移動販売ができなくなってきているようだ」という報告があったことでした。
私たち市民団体は、移動販売を明確に禁止することを求めていたのですが、それは実現していません。環境省は、新しい基準で輸送後2日間の目視義務ができ、ケージの固定も求めているため実質開催できなくなると言っていました。
この日の議連PTでは、そのとおりに開催できなくなっているようだという報告が、多数の議員もいる前でなされたわけですが、しかし実際には、基準施行後もブロニアの森が犬猫移動販売を行っていることがわかりました。今日明日、高崎の会場で250匹も持ち込んで即売会です。これまで、他の地方も回っていることがSNS検索でもわかります。香川の会場では、吐いて死にそうになっている子がいたというツイートもありました。
この基準改正は、同様の規制を設けた新潟の条例が参考になっていたと思われます。しかし、その新潟でも、多くの移動販売はなくなったものの、1ヶ所だけホームセンターが続けていました。置き場所があれば、事前に販売してはいけない期間を設けたとしても、クリアすることができます。
今回、ブロニアの森は、開催日2日前の木曜日の朝には犬猫を会場に連れていかないと基準違反になりますが、1日26万円の会場を2日間余計に借りてでも、開催しようとするくらい、生体販売が儲かるのでしょう。高崎市に電話で確認した際には、既に新しい基準をクリアする図面が出されており、第一種動物取扱業の登録がなされてしまっていました。従業員数も、250匹が全て犬だった場合でもクリアできる人数を雇用するのだそうです。
移動販売で問題になるのは、感染症による購入後の死亡や、展示中の体調管理、長距離輸送などです。やはり、よりはっきりと禁止する必要があると思います。
そして、一般の方々には、こういう会場に買いに行く前に、どうして犬猫の大量たたき売りができるのか、考えてみてほしいと思います。「パピーミル」と呼ばれる、劣悪な多頭飼育の繁殖場が、こうした犬猫の流通を支えています。
2019年の夏頃、高崎のブロニアの森(本拠地)の店舗前に置いてあったペットオークション用のケージのシール。安く、健康状態や衛生管理に問題がありそうな犬猫をあえて仕入れているのだと思われる。 pic.twitter.com/maHcpCWVYj
— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) October 20, 2021
登録取り消し処分を受けた業者が、別名義で営業していることについて
自治体から第一種動物取扱業の登録取り消し処分を受けた業者が、妻を代表とする新しい法人をつくり、その名義で登録をおこなって営業を開始している問題について、この日の議連PTで発言させていただきました。滋賀県の「めっちゃおもろい動物園」のことです。
こういった法の裏をかくやり方は、他の業種の規制でも行われているそうですが、国土交通省の法律で最近対応する改正があったはずだとのコメントを小宮山泰子衆議院議員からいただきました。
後日、環境省に教えてもらったところ、軽井沢の貸切バス事故を受けて検討されたバス業者対策のことだと思われるとのことでした。
貸切バス事業者への行政処分の厳格化では、
- 処分逃れを目的として監査後に廃業届を出した場合
- 密接な関係にあるグループ会社が許可取消を受けた場合
などを欠格事由に追加する改正がなされたのだそうです。(国土交通省「軽井沢スキーバス事故を受けた対策について」参照。)
動物愛護法でも参考にすべき規定だと思います。
貸切バスについては、ほかにもさまざなま対策がとられましたが、悪質業者の締め出しを強化したところ、事業者の1割以上が業界から撤退するなど目に見える効果が表れているとの報道がありました。(「貸し切りバス事業者1割減 悪質業者締め出し強化で―国交省 」時事通信、2021年10月21日)