北里大学獣医学部で、リタイアする実験犬・猫の譲渡に関する制度が! ビーグル犬が第一号!

先日、私立大の獣医学教育で実習に用いられている動物の数/代替法の採用の有無について投稿した際に、北里大学獣医学部に質問をしているところだということに少し触れさせていただきましたが、既に回答をいただいていまして、その中でとてもうれしいことがわかりました!

なんと「新たに、実験・実習を退役したイヌとネコのadoptionに関する制度を設けた」とのことなんです!! 回答にURLが記載されていた「2018年度北里大学獣医学部における動物実験に関する自己点検・評価報告書」に、そのように書かれていました。

先日、日本学術会議の公開シンポジウムで東京にいらしていた高井伸二学部長に直接お聞きしたところ、実験・実習等に使われた犬や猫について、学生さんから希望があれば譲渡するという仕組みだそうです。そして既に、ある研究室からビーグル犬が1匹、学生さんに譲渡されたそうです! 酪農学園大のしょうゆちゃんに続き、うれしいニュースでした!!

また、北里大学では、既に単なる解剖のような死体で代替できる実験・実習に生きた動物はなるべく使わない方向にあるとのことで、犬については2018年前期で外科実習も廃止されていることは、以前お知らせした通りです。診察・検査等の手技習得など侵襲的でない実習に使われる犬だけでなく、病院で飼われている供血用の犬猫なども対象となるようです。

もちろん、将来的に獣医師になる皆さんとはいえ、若いころは犬を飼えるかどうかはご実家の状況なども関係してくるかと思いますので、そのあたりはきちんと審査して決めることにしているとのこと。また、あくまで希望があればという形であり、あまり大々的に宣伝をしているわけではないということでした。

PEACEとしては、実習等の際に「将来的にどこかの家にもらわれていく犬や猫かもしれない」と思えば、扱う時の緊張感も違ってくるのでは?という意味で、学生さんにお知らせはしてほしいということをお伝えしました。

下記の質問をご覧いただければおわかりになるとおり、実際に飼育されている犬や猫の数は多く、また研究にも使われています。実習を苦痛の少ない方法に限るだけではなく、少しでも犠牲を減らしていく必要があると思います。また獣医学部が動物の命や福祉に敏感であることは、将来的に日本の動物の地位向上や福祉意識の底上げに寄与するはずです。

いろいろな意味で、この犬と猫のリタイア後の譲渡制度を大学が公式に認めていることを歓迎しています。

北里大学獣医学部に聞いたこと・回答

まず第一に、文部科学省の動物実験基本指針等に基づく毎年の動物実験に関する自己点検結果の公表がウェブサイトでされていないようだったので、どこに掲載されているかを問い合わせました。

それに関する回答は以下の通りでした。

回答:平成27年以降、本学HPで公開しております。それ以前のものはありません。今後、外部より閲覧できる実験動物の情報公開専用のサイトを作成する予定です。

H27: https://www.kitasato-u.ac.jp/vmas/announce/download/2016_jikotnken_hyouka.pdf
H28: https://www.kitasato-u.ac.jp/vmas/download/h28_jikken_tenken_houkoku.pdf
H29: https://www.kitasato-u.ac.jp/vmas/topics/download/h29_jikken_tenken_houkoku.pdf
H30: https://www.kitasato-u.ac.jp/vmas/announce/download/2018_jikken_tenken_houkoku.pdf

その他、日本私立獣医科大学協会が公表している「私立獣医科大学における獣医学教育の相互評価報告書(第九次/平成18年度~平成28年度) 平成30年6月」に載っているデータをもとに質問しました。

(1)犬猫の使用数は以下の通りとなっていました。

ネコ 平成23年 278匹、平成28年 98匹
イヌ 平成23年 342匹、平成28年 198匹

他の動物もですが、年間にこれだけの数を使っていて学生一人当たり0.05匹や0.10匹である理由がわかりません。これは、実習対象の学生数で割ったものではなく全学学生数で割った数でしょうか。計算方法を教えてください。

回答:学生1人あたりの年間使用頭数ですが、本報告書の調査機関である私立獣医科大学協会から、計算方法の指定がありませんでしたので、獣医学部の全学生数で割った値を提出しました。

(2)これらのイヌとネコを含め、ウシ、ウマなど全て致死的な実習に用いられた数と理解してよいでしょうか。それとも長期飼育され翌年に持ち越されている動物も含まれますか。

回答:H23年度ですが、関係者がすでに退職し記録が残っておりませんので、平成27年度以降についてお答えします。
 大部分が長期飼育され翌年に持ち越されている動物です。例えば、H28年度に実験や実習で使用されたイヌの延べ頭数は194匹ですが、実際に、飼育されているイヌは50匹程です。昨年度より、外科実習におけるイヌの致死的な実習は廃止しております。

(3)実習に使われている動物種のうち、大学で繁殖を行って実習に用いている動物種はどれでしょうか。

回答:ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシです。

(4)イヌとネコについて、数が多い印象を受けるのですが、どういったところから手に入れているのか教えてください。

回答:現在、飼養されているイヌ57匹、ネコ9匹は実験動物ブリーダーより購入しております。その他、ネコ50匹については、感染症の発症機序の解明やワクチン開発に必須でありますSPF動物であり、国内で入手が困難であるため自家繁殖しております。現在、研究手法を改善したため、飼養数は徐々に減りつつあります。

(5)ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマについては、繁殖以外で外部から購入や譲り受け(払下げ)等で来る場合もあるのでしょうか。由来を教えてください。

回答:ウシやウマに関して、農家から、廃用動物および回復の見込みのない病気を抱える動物の譲渡を受けております。

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