12日、アメリカ議会で、化粧品の動物実験廃止のための連邦法案「人道的化粧品法」が再提出されました。初めて法案提出がなされたのは2014年ですが、これまで進展はありませんでした。しかし、世界44か国およびアメリカ 11 州で化粧品の動物実験が何らかの形で禁止されている現在、状況は変わりつつあると報じられています。
Representatives push for federal legislation to end cosmetic…
およそ600社が加盟し、ワシントンD.C.に拠点を置く米国パーソナルケア製品評議会(PCPC、旧CTFA)は、「化粧品の国連」とも呼ばれ、世界的な化粧品の業界団体ともなっていますが、この団体も法案に賛同すると声明を出しました。
FOR IMMEDIATE RELEASE CONTACTS: Tesia Williams (202) 29…
声明の内容は以下のようになっています。
動物実験を廃止することは、もはや動物実験に反対する団体だけが言っていることではありません。化粧品業界は、動物を用いる毒性試験の廃止の最前線に立っているという自覚を持っていることがわかる内容となっています。
プレスリリース日本語訳(抄)
超党派で提案された人道的化粧品法を支持するパーソナルケア製品評議会の声明
パーソナルケア製品評議会(PCPC)とその加盟企業は、本日、ドン・ベイヤー議員(民主党・バージニア州)、バーン・ブキャナン議員(共和党・フロリダ州)、ケン・カルバート議員(カリフォルニア州・共和党)およびトニー・カルデナス議員(民主党・カリフォルニア州)によって米国議会下院に再提出された「人道的化粧品法」を強く支持します。我々は、革新的かつ科学的に進んだ安全性評価を選択し、新たな化粧品の動物実験が行われないようにするための重要な取組みを超党派で推進するこれらの議員を称えます。
「人道的化粧品法」は、化粧品とその成分の動物実験を禁止しており、動物実験を行った化粧品の、米国内での販売を禁止します。この法案の再提出は、動物を用いない代替法を促進するための、業界とステイクホルダーによる数十年にわたる取組みに基づくものです。約40年間にわたり、米国および世界において、当会の会員企業は代替となる実用可能な安全性評価法を開発する運動に貢献しており、当会は今後もこの重要な任務に向けて取組み続けます。
PCPC とその加盟企業は政策立案者と協力し、製品の安全性試験における動物の必要性の排除に世界を近づけるため、規制と科学の進歩を達成してきました。我々の業界は、動物実験を廃止するという野心的な目標の最前線に立っており、製品の安全性試験における、動物ではない評価法を政府が承認し受け入れるよう、長年求めてきました。この法案には、米国食品医薬品局(FDA)またはその他の国際規制当局によって義務付けられた動物実験がなされた製品に限り、適用除外が含まれます。
PCPCは、動物福祉と化粧品の安全性に関する統一的かつ人道的な基準を支援するため、多様なステイクホルダーの連合体と団結していきます。PCPC は、科学を進歩させ、安全性評価における動物実験代替法の世界的な採用を促進させるため、「化粧品規制に関する国際協力 (ICCR)」、「代替法試験協力国際会議(ICATM)」および「化粧品の安全性に関する国際協力(ICCS)」と緊密に連携しています。およそ40の化粧品ブランドメーカーや原料サプライヤー、国際業界団体、動物の権利NGOの支援を受け、2023年2月に発足したICCSは、化粧品やパーソナルケア製品とその原料に関し、動物を用いない安全性評価の導入に取り組んでいます。
私たちは、消費者が日々信頼し頼りにする革新的な製品の安全性を確保しながら動物福祉を保護する、この重要な法律を制定するために、米国人道協会(HSUS: Humane Society of the United States)を含む動物福祉団体や国会議員と協力できることを楽しみにしています。
2月8日、35以上の化粧品メーカーやサプライヤー、業界団体、動物保護団体により構成されるイニシアティブ 「化粧品の安全性に関する国際協力(ICCS)」の発足が公表されました。化粧品の安全性試験に関わるすべての人々が動物を用いない手法[…]
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