恩赦と動物虐待罪

元特捜部主任検事である前田恒彦さんによる「痴漢や盗撮、児童買春までも 皇位継承で55万人に『棚ボタ』恩赦、時代遅れの遺物では」という記事を見て、上記のようにつぶやいたところ500近いリツイートをいただきました。大変ありがとうございます。少し補足をツイートしたのですが、ブログにも残しておきます。

このツイートは、この記事の中で下記のように書かれていたのを見て、やはり驚いてしまい、つぶやきました。(赤字はPEACEによる)

 とはいえ、対象者は約55万人にも上る。反省の有無や悔悟の程度などを問わないから、まさしく「棚ボタ」だ。

 しかも、罪種や言い渡された罰金額に制限はなく、内訳を見ると無免許運転や酒気帯び運転など道路交通法違反が65.2%、人身事故に基づく過失運転致死傷等が17.4%、暴行・傷害が3.3%、窃盗が2.6%となっている。

 それ以外の罪名が11.4%に上るが、これには買収など公職選挙法違反に問われた約430人や、脅迫、器物損壊、建造物侵入、名誉毀損、賭博、威力業務妨害、海賊版配信、危険ドラッグ所持、ダフ屋、ストーカー、動物虐待といったさまざまな犯罪のほか、痴漢や盗撮、児童買春、淫行条例違反、児童ポルノ所持なども含まれる。

しかし、少し誤解も招いたかもしれないと思い、補足です。

今回行われた恩赦には、罰金刑を受けた者に対して一律に行われる政令恩赦と、個別に審査して行われる特別基準恩赦の2種類があります。

動物虐待で実刑を受けて収監されている人はいないと思いますので罰金刑の話だけしますと、罰金刑を受けた者に対して一律に行われる政令恩赦では、刑自体が免除されるわけではないので、その点はご安心ください。罰金刑を受けたことのある者に対して法律で制限が設けられている資格要件などについて、恩赦によって、刑を受けていない人と同じ扱いになる復権が行われます。

例えば動物関係であれば、「罰金以上の刑に処せられた者」には獣医師や愛玩動物看護師の免許を与えないことがあると法律に書かれていますが、今回恩赦の対象になると、この部分の制限は、罰金刑を受けた人でも関係なくなることになります。

資格要件は、調教師や騎手の場合は「禁錮以上の刑に処せられた者」となっていますし、資格によっていろいろのようです。

第一種動物取扱業にも要件があり、動物愛護法違反等で「罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者」は業登録を受けられない決まりになっていますが、今回の政令恩赦については、罰金を納めてから3年経過していて再び処罰されていない者が対象という条件があるので、第一種動物取扱業については今のところ恩赦は関係がありません。

しかし、動物虐待罪など関連の法律で有罪になったことがある者が、2年程度で第一種動物取扱業の登録ができるというのもおかしな話であり、これについては、今年6月の動物愛護法改正で「2年」が「5年」に延長されました。なので来年の施行後は、今回の政令恩赦の影響は計算上はあり得ます。

ただ、動物虐待罪で罰金刑となった者が、実際に何かの資格(特に問題があるのは動物関係のものかと思いますが)を得ようとしたり第一種動物取扱業を営もうとしたりすることが実際に起きるかというとわからないので、ツイートは少し誤解を与えたかなあ……と思った次第です。

ただ、政令恩赦ではない特別基準恩赦のほうでは、3年経っていない者でも、刑を受けたことが社会生活上の障害となっているといえば復権を個別に申請することができます。法務省の更生保護審査会の審査を通れば、復権となるそうです。

そう聞くと、やはり不安には感じてしまいます。

有罪になれば社会生活上不利益になるんだぞ!というのは犯罪に対する抑止力の一つだと思いますし、動物虐待のようなサイコパス的な犯罪でも恩赦の対象となってしまうのは、やはり釈然としません。

動物虐待の場合は、本当なら何年も刑務所に入ってほしいと多くの人が感じるような酷い事件の場合でも罰金で終わっていることが往々にしてあります。この点が、ほかの犯罪の罰金の場合の「軽さ」と同等ではないと感じます。もともとの処罰が軽いのに、さらに恩赦か!という感情がどうしてもわきやすいです。

そもそも被害者である動物は、天皇が即位したということの意味がわからないというのに……

恩赦についていろいろ批判が出ていることも納得がいくのでした。

※法務省にも確認したうえで書いていますが、慣れない分野の話なので表現が厳密でなかった場合はご容赦ください。

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