『抵抗する動物たち グローバル資本主義時代の種を越えた連帯』
サラット・コリング 著 井上太一 訳 青土社
ISBN:978-4-7917-7535-4
「ユリイカ」「現代思想」の青土社から、動物解放のための新しい本が出ました。 これまで日本に紹介されてきた動物の権利論の本とは、またひと味違った視点を私たちにもたらしてくれる本です。
囚われの動物たちが、檻や農場、屠殺場、動物実験施設から逃げることも、ショーのために囲われているシャチやサーカスの動物たちがトレーナー・調教師を襲撃することも、私たち人間は個別のイレギュラーな事件と見がちです。
脱走は、ときには娯楽のように扱われることも。
しかしこの本は、そうした動物たちを、虐げられた仲間たちの中から生まれた抵抗者ととらえ、そこに動物の意思、主体性を読み取ります。
搾取や抑圧から逃げ出し、解放されたいのは、人間だけではありません。そのことを改めて考えさせる刺激的な本です。
ぜひ手にとってお読みください。
書評紹介
朝日新聞社のサイト「好書好日」に載ったこの本の書評です。
動物たちの現状について知り、ライフスタイルを見直そう!読んで広める、買ってプレゼントする、感想文やレポートを書く、図書館に購入をリクエストするなど、本を通じてできるアクションもあります。動物倫理トム[…]
幽閉された動物たちによる対人事故商業的に野生動物などの動物と直接触れ合わせる行為は、動物福祉の観点から問題があるだけでなく、人にケガをさせたり、そこから病原体を感染させたりすることからも問題があります。このページでは、過去の動物触れ合い[…]
鳥取の海水浴場に野生のイルカが現れたことが報じられ、イルカの危険性について日本ではあまり知られていないのではないかということがインターネット上で話題になりました。野生イルカについてもそうなのですから、まして「ふれあい」と称して飼育さ[…]
水族館などで、飼育下に幽閉したイルカを触らせたり、一緒に泳がせたりするサービスが行われています。イルカと交流できるすばらしさばかりが宣伝されていますが、実際には事故も起きています。イルカは野生動物であることを忘れてはいけません。まして、人間[…]
飼育下のシャチによる人身事故例については、量が多くなってきたので「イルカショーやふれあいサービスでの人身事故」のページからこちらに分けました。シャチによる人身事故はWikipediaに掲載されているだけでも30件以上Wikipe[…]