幽閉された動物たちによる対人事故
幽閉された動物たちによる対人事故
商業的に野生動物などの動物と直接触れ合わせる行為は、動物福祉の観点から問題があるだけでなく、人にケガをさせたり、そこから病原体を感染させたりすることからも問題があります。このページでは、過去の動物触れ合い等によって起きた対人事故について、事例をまとめていきます。
参考 守られない厚生労働省ガイドライン
コロナ禍となり既に内容が古くなっていますが、厚生労働省の「ふれあい動物施設等における衛生管理に関するガイドライン」(「動物展示施設における 人と動物の共通感染症対策ガイドライン」の追補版)には、以下のように定めれられています。
「感染の機会をできるだけ減らすため、エキゾチック動物(アライグマ、サル類、プレーリードッグなど)や気性の荒い動物種は直接触れられないようにすべきである。また、幼弱な反芻獣や家禽、爬虫類並びに病気の動物は腸管系の疾患を伝播する可能性が高いので注意が必要である。」
エキゾチックアニマルとの直接的なふれあいは感染症の問題から不可とされているにもかかわらず、野生動物と直接の接触をさせようとする動物園、移動動物園、アニマルカフェ等が絶えません。
環境省による毎年の事故報告
環境省が毎年発行している「動物愛護管理行政事務提要」で、犬猫以外の動物についても事故例を報告しています。
追加作業中
環境省が平成30年度版の「動物愛護管理行政事務提要」を公表。前年度の統計などが掲載されています。犬以外の動物による人身事故状況(都道府県・指定都市・中核市)を見ると、一番多いのは猫ですが、そのほかの動物では展示動物が多いので書き出し[…]
ただし、犬・特定動物以外の動物も含めたすべての動物について事故の報告を義務付けている自治体は4都県(東京都、茨城県、岡山県、福岡県)しかなく、報告されている事例は行政が把握した一部の事例に限られていると考えられます。
動物の展示や触れ合いサービス等で起きた対人事故についてまとめたページがなかったので、新たに「幽閉された動物たちによる対人事故」のページをつくりました。関連するページは、ここからたどれるようにしていきます。[sitecard subt[…]
来園者が負傷するなどした事故
個別の事例についてブログでも取り上げています。それぞれのページをご覧ください。
追加作業中
新潟県上越市の市立水族博物館うみがたりでマゼランペンギンに足をかまれケガをした入館者が上越市を相手取り300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたとの報道がありました。訴状などによると、原告はうみがたりを訪れた際、屋外で展示され[…]
Twitterで既にご報告した件ですが、昨年9月3日、枚方ライトアップフェスティバルというイベントでお子さんが移動動物園のヤマアラシの針で負傷する事故がありました。子どもを診た小児科医が大阪府に通報。「母親の話によると当該動物園の展[…]
7月6日、長野県の須坂市動物園で6歳の児童がクマに指をかまれ負傷したとの報道がありました。何と驚くべきことに、この動物園ではクマの餌やりイベントが行われており、手渡しで金網越しにエサを与えさせていたというのです。クマは本来、野生動物[…]
堀井動物園がモレラ岐阜で開催した移動動物園で犬によるひっかき傷の事故があったことについて、岐阜県の条例に基づいた届出を事業者は行うべきなのではないかと指摘したところ、5月17日に岐阜保健所本巣・山県センターから回答があり、営業者から飼い犬事[…]
飼育者自身に起きた事故
飼育下で幽閉された動物たちによる対人事故について投稿が続いていますが、もう少し続けたいと思います。2020年、富山救急医療学会の第38回学術集会で「海外原産の毒ヘビ咬傷の治療経験」との報告が富山大学附属病院災害救命センターからなされ[…]
従業員が死傷した事故
30日以内にしなければいけない数の増減の報告を10年以上怠っていた今年1月23日、千葉県成田市の動物プロダクション「湘南動物プロダクション」で、飼育しているライオンに社長と役員の2名が咬まれて重傷を負った事故がありました。撮影のためライ[…]
特定動物による重大事故の一覧(2012年~2018年)は、こちらのページに掲載しています。
特定動物の飼養及び保管の禁止(第二十五条の二)~許可の取消し(二十九条) ※下線が改正部分。条ズレによる改正部分は省略。(特定動物の飼養及び保管の禁止)第二十五条の二 人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがあ[…]
動物園等での特定動物による人身事故については環境省が通知を2回出しています。
環境省の「動物の飼養及び保管に関する通知」のページに、今年3月15日に出された「動物園等における安全確保等について」という通知が掲載されています。全国の自治体へ向けて通知されたものですが、確かに去年から思い出しただけでも、動物園での[…]
平川動物公園のホワイトタイガーによる従業員の死亡事故を受けて、環境省が事務連絡「動物園等における安全確保等の徹底について」を10月9日付けで発出していました。一昨年(2016年)は群馬サファリパークの死亡事故を受けて、昨年(2017[…]
鯨類について
鯨類による事故は別ページをごらんください。
鳥取の海水浴場に野生のイルカが現れたことが報じられ、イルカの危険性について日本ではあまり知られていないのではないかということがインターネット上で話題になりました。野生イルカについてもそうなのですから、まして「ふれあい」と称して飼育さ[…]
水族館などで、飼育下に幽閉したイルカを触らせたり、一緒に泳がせたりするサービスが行われています。イルカと交流できるすばらしさばかりが宣伝されていますが、実際には事故も起きています。イルカは野生動物であることを忘れてはいけません。まして、人間[…]
飼育下のシャチによる人身事故例については、量が多くなってきたので「イルカショーやふれあいサービスでの人身事故」のページからこちらに分けました。シャチによる人身事故はWikipediaに掲載されているだけでも30件以上Wikipe[…]
参考文献
動物たちが人間を攻撃するのは、理由があります。人間が動物たちに対して行ってきた行いが、どのように反撃を引き起こしてきたか、学べる本です。
『抵抗する動物たち グローバル資本主義時代の種を越えた連帯』サラット・コリング 著 井上太一 訳 青土社ISBN:978-4-7917-7535-4「ユリイカ」「現代思想」の青土社から、動物解放のための新しい本が出ま[…]
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▼日本では「特定動物」に指定されている動物たちだ1990年以降、アメリカで飼育下の大型動物が逃げたり、人を傷つけたり、殺したりした事故のリストをPETAが公開しています。 Bear Incidents in the U[…]
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