3Rの理念だけで20年放置するつもりの日本 低レベル 怠慢 動物福祉

動愛法改正から実験動物が落ちた経緯について~動物実験代替の取組みについて小宮山泰子議員が国会で質問!

3Rの理念だけで20年放置するつもりの日本 低レベル 怠慢 動物福祉

動物愛護法改正法案は、衆議院本会議採決が6日午後に延びており、その後参議院に送られるという状況です。

実験動物について少し振り返っていきたいと思いますが、腹立たしいことに、超党派の犬猫殺処分ゼロ議連の骨子案に以下のように書かれていた動物実験の3Rの強化の部分が、ある時点で削除されてしまいました。なかなか削除されたということを教えてもらえなかったのですが、心ある議員からそのようになっていると聞かされ、関係議員にお願いをして回りましたが、やはり復活することはありませんでした。

動物の科学上の利用の減少に向けた取組の強化
 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用し、及びできる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により動物を適切に利用しなければならないこと。

3Rの強化、なぜ削除された? 

風向きが変わったのは、iPS細胞でノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が法改正に反対しているというロビーが、野党の医系議員に対し行われたあたりからでした。どうも山中教授のコメント文が存在するらしく、それを見せられたことから、なんとなく議連内で忖度が働いて骨子案から落ちてしまったようです。これは、超党派議連が自民党のどうぶつ愛護議連と交渉する前の段階の話であり、3月の下旬には既に削除されていた模様です。

一度、超党派議連では、動物愛護法改正ワーキングチームの場で、動物実験関係団体と『犬が殺される』を書いたジャーナリストの森映子さんからヒアリングを行う回が設けられましたが、実験関係団体は法改正に反対する合理的な理由は述べることができず「(改正されると困るのは)気分的なもの」と述べるほどでしたから、ヒアリングの内容が影響したとも考えにくいのが正直な印象です。

もちろん最初から「話を聞いて落とすことにした」というエクスキューズに使うために場を設けたのでしょうが、とにかく、骨子案から科学上の動物の利用について削除された経緯がハッキリしないのも腹立たしいことです。

山中伸弥教授に対しては、私たち3団体(PEACE、JAVA、ARC)から質問状を出しましたが、「骨子案に反対なのか」という問いには「はい」とも「いいえ」とも答えず、3Rは重要だが実験の必要性は認めてほしいという意見のみ書いて来ています。回答にはどこにも法改正に反対するなどと書かれていません。

法改正を求める市民に対して「反対だ」とはっきり主張できないのであれば、それは反対ではないと考えられますし、ました反対するに値する重大な理由があると言っているようには到底思えません。公式見解として反対ではないから、反対だと書いてこなかったのでしょう。しかし、もし本当は反対だなどと裏で言っているのであれば卑怯なことですし、逆に立場あいまいな教授のコメントを、改正反対のために利用した者がいたのであれば、それはやり口が卑怯です。

追記:山中伸弥教授への質問状と回答の全文については、下記のページをご参照ください。

実験動物の取扱いそのものが骨子から抜けていた

またそもそも、骨子案では、動物実験施設の登録制については別紙の検討事項扱い、動物実験代替について国が取り組むよう求めていた部分に至っては採用されていませんでした。

日本では動物実験が行われている体制についての現状把握が一切なされていない問題の解消をしなければならないことはもちろんですが、3Rのうち、最も積極的に取り組むべき1R(動物実験の代替)について、現時点で環境省が何ら目安も示さず、積極的な取り組みをしていないのは明らかです。ここを何とか一歩前へ進ませたかったですが、実験動物に関しては、全て検討は今後の課題として附則に回されました。

先日、ノネコとナショナルバイオリソースプロジェクト「ニホンザル」の関係について国会で質疑があった続きのご報告が遅くなりましたが、超党派議連でも法改正に尽力してくださった小宮山泰子議員(国民民主党)が動物実験代替の取り組みについて国会で質問してくださっているので、以下の議事録続きをぜひご覧ください。

原田義昭環境大臣が「しっかり普及啓発を進めてまいりたい」と答弁していますから、法改正があろうとなかろうと当然の取り組みとして、動物実験代替についてきちんとした取り組みをしていただきたいと思います。今後もPEACEは、人間に関する知見をベースにした人道的な科学によって、動物の利用を代替していくよう求めていきます。


動物実験代替の取組みについて小宮山泰子議員が国会で質問!

令和元年5月10日 衆議院環境委員会

小宮山議員ブログもご参照ください。

>>質疑前半より続き

○小宮山委員 (中略)

さて、時間の関係で最後になりますけれども、動物実験によるスリーR、代替、削減、苦痛の軽減への取組についてお聞かせください。

医療や科学的見地の発展のためには、動物実験におけるスリーRというものは大変必要であり、これを行っていくことは重要であると考えております。
スリーRのうち、代替法の採用、推進は国際的潮流となっております。医薬開発、安全性確認のための実験動物は認めた上で、化粧品開発における動物実験を禁止に踏み切った国が拡大しております。

化粧品では、動物実験を行って製造された製品自体、EU諸国において販売が禁止されるなどをしており、法令により禁止されていない国においても、海外輸出を行っているようなメーカーでは動物実験を既に行っておらず、代替法の実施にも進んでおります。新規の試験法、代替試験法を提供する事業も拡大していると聞いております。

医薬、医療にかかわる動物実験も含めて、代替法を推進するための環境省の現状の取組について簡潔に御説明ください。

○正田政府参考人 お答えいたします。
動物愛護管理法におきまして、動物を科学上の利用に供する場合には、いわゆる動物実験のスリーRの原則によりまして行うこととされてございます。

具体的には、動物を使わない方法の活用、利用する動物の数の削減により動物の適切な利用に配慮することを求めるとともに、動物の苦痛の軽減を義務づけておりまして、環境省において、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準を定めているところでございます。

また、動物実験施設を所管いたします関係省庁が基本指針を策定しておるところでございますとか、日本学術会議が取りまとめたガイドラインというのがございまして、こうしたものによりまして実験動物の適正な取扱いに十分配慮するとなってございます。

さらに、環境省におきましては、平成二十九年十月でございますが、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説というものを策定してございます。その中で、実験等の実施上の配慮といたしまして、実験計画の立案段階から、できる限り生きた動物個体を利用する方法にかわる方法、いわゆる代替方法の利用を検討するよう求めたところでございます。

環境省におきましては、こうした基準の解説の内容を踏まえまして、関係学会が主催いたします研修会やシンポジウム等の講演等を実施して、引き続き関係省庁と連携いたしまして、代替法の浸透を図ってまいりたいと考えております。

○小宮山委員 ぜひ代替法の浸透を図っていただきたいと思いますが、EU諸国では、実験動物保護指令では、動物実験のスリーRが義務化されております。韓国においても同様に義務化しているという国際的な流れがございます。そういった中において、現行の動物愛護法においては、スリーRに関しては苦痛の軽減のみ日本では義務化され、代替、削減は推奨されているにとどまっているのが現実でもあります。

この点に関してももっと進めていきたいと思いますけれども、大臣にぜひお聞かせいただきたいのは、やはり、ここに関して、マーケットにもなっていきますし、日本が動物にも優しい、犬に対して大変思い入れもあると言っていただきました原田大臣におきましては、動物実験に対するスリーRの、特に代替法についての取組の強化について、環境省としてもっと進めるべきだと考えておりますが、大臣の御見解をお聞かせください。

○原田国務大臣 動物実験に関するスリーRというのは、私も改めて議員から教えていただいたところであります。まずはリプレースメント、リダクション、そしてリファインメント、本当にこれは、とうとい基準がどういうふうに実用されているかということは大切なことだと思っております。

スリーRの考え方が浸透していくように、関係省庁と連携しつつ、また、国際的な動きも踏まえながらしっかり普及啓発を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

○小宮山委員 ありがとうございます。
ぜひしっかりと進めていただきますことを要望いたします。

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