Netflixオリジナルドキュメンタリー『ディビッド・アッテンボロー 地球に暮らす命』

2021年も去ろうとしています。

今年、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書が公表され、人間活動による地球温暖化には疑う余地がないことがはっきりと示されました。国連食糧システムサミット2021や、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)が開催され、プラントベースの農業の利点を訴える科学者の意見を取り入れることや、会場でプラントベースの食事を提供することを求める海外の署名にPEACEも団体として賛同しました。

畜産業は、直接的・間接的に温室効果ガスを排出し、土地の劣化、森林破壊、生物多様性の喪失、水の大量消費・汚染などにより、地球を破滅させる大きな要因となっています。COP26では、「食」が始めて議題としてのぼり、また畜産動物が主要な排出源のひとつとなっているメタンガスの排出削減に向けた国際的な枠組みが発足するなど、徐々にではありますが、食生産システムにも目を向けざるを得なくなってきている状況があります。

このCOP26で、地球の危機的状況について7分間のスピーチをしたのが、生きものたちのドキュメンタリーで有名なデヴィッド・アッテンボローでした。動画配信サービス「Netflix」(ネットフリックス)に、彼が気候変動による生態系危機からの回復について訴えるドキュメンタリーがあるのでご紹介します。

デヴィッド・アッテンボロー: 地球に暮らす生命

2020 | 1時間 23分 | アメリカ映画
出演:
デヴィッド・アッテンボロー

生態系ドキュメンタリーを多数手がけた男が、地球における生命の進化の歴史をふり返り、失われていく野生を憂(うれ)い、そして…

地球上の様々な野生動物たちの素晴らしい映像を、日本でもNHKを通じてお茶の間に届けたデヴィッド・アッテンボロー。その長い映像人生の間に、地球の平均気温は1℃上昇しました。

この影響は甚大で、地球上では6度目の大量絶滅が進行中です。その原因は私たちの暮らしにあります。

気候変動対策として、化石燃料を再生可能エネルギーに転換させることと並んで、彼が強調していたのは、食の生産システムの変革でした。このドキュメンタリーのなかで、彼は「私たちが皆菜食になれば、農地を今の半分に減らすことができる」と明言しています。食糧生産のために人間が奪った広大な土地を自然に返す、再野生化(リワイルド)の必要性を訴えていました。

肉を得るためには広大な土地が必要です。かつてデヴィッド・アッテンボローが取材したニューギニア奥地の先住民は(よく狩猟採集民と言われますが)、肉はほとんど食べていなかったと紹介されていました。

既に、地球上の哺乳類のうち、野生動物は全体のたった4%までに減っています。代わりに爆発的にふえたのが、人が食糧生産のために飼育する畜産動物、いわゆる「家畜」です。人間より多く、全体の6割を占めます。

人間は残りの4割弱。デヴィッド・アッテンボローの少年時代には23億人だった地球上の人口も、いまや80億に届こうとしています。

このドキュメンタリーでは、日本で少子化が先行していることが先駆的な例として取り上げられ、ポジティブに捉えられていることが印象に残りました。

状況は非常に厳しいですが、作品自体は、未来へ希望が持てるメッセージとなっています。見て、そしてぜひ菜食を実践しましょう。

(注:ただし、漁業については、禁漁区をふやし持続可能なレベルで維持できるだろうと考えているようでしたので、ビーガンになることを訴えているわけではありませんでした。ただ、映像から、持続可能な漁業というのは、工業化されていない伝統的な生活が念頭にあるのではないかとは感じました。)

Netflixでは他に、デヴィッド・アッテンボローの映像作品として『OUR PLANET 私たちの地球』や『生命の彩り』などを見ることができます。

すばらしい地球上の生命を感じることができるこれらの映像は、動物園・水族館に行くより、絶対にオススメです。

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