今年、YouTubeがポリシーを変更し、偽の動物レスキュー動画が禁止されました。
新しいポリシーには「準備された危ない状況にわざと動物を置いて救助するコンテンツ」が新たに追加され、例として、「動物が救助される様子を撮影したコンテンツで、演出のために動物を危険な状況に置くもの。」が挙げられました。
これは、「ヘビや猛禽が襲おうとしている動物を助けた」体裁で作られたヤラセ動画にYouTubeが対応したことになります。 サル、イヌ、爬虫類などの動物が「獲物」として置かれ、ヘビやワニなどの大きな「捕食者」に襲わせ、最後には人間が助ける様子が撮影されているヤラセ動画が、新しいタイプの動物虐待動画として問題視されてきていました。
レポートが指摘しているフェイク動画の特徴
- 動物が通常では考えられないような環境にいる。例えば、森林に生息する動物が広々とした低木地帯にいるなど。
- ヘビが獲物の周りにゆるく巻きついていたり(捕食するときの締め付けでない)、人間の介入に捕食動物が驚いて逃げようとしたりしていないなど、「襲われた」ときに動物が通常とは異なる行動をしている。
- 同じYouTubeチャンネルに複数の動画があり、同じ動物や場所が繰り返し使われている。動物の模様が同じであったり、地面に同じ穴が開いていたりすることでわかる場合がある。
- 捕食動物と被捕食動物を分離したあと、人間の「救助者」が不適切な反応をしている。例えば、動物を2つの手に分けて持っていたのに、お互いに近づけて見せたり、安全な距離を保っていたのに一緒に運んだりする。
さらに動物の本来の習性などについて誤った知識やイメージを拡散してしまうことなども問題だとナショナルジオグラフィックでも指摘されています。
通常のドキュメンタリーなどは、野生動物の決定的瞬間を撮るために膨大な時間をかけて制作されています。簡単に次々出せるようなものではないことを、見る側も肝に銘じておかなければなりません。
National Geographic finds continued animal suffering and exp…
今年、YouTubeがポリシーを変更し、偽の動物レスキュー動画が禁止されました。
【YouTube】暴力的で生々しいコンテンツに関するポリシー
「動物が救助される様子を撮影したコンテンツで、演出のために動物を危険な状況に置くもの。」←Newhttps://t.co/bfH7zoFAeM— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) July 4, 2021
動物虐待:
- 狩猟や食材にするといった伝統的または一般的な目的ではなく、動物に悪意をもって苦痛を与えている人物を含むコンテンツ。
- 準備された危ない状況にわざと動物を置いて救助するコンテンツ。
- 人間が動物同士の戦いをけしかけたり、強制したりするコンテンツ。
ドラマ化された、または架空の映像:
- 上記に該当するコンテンツで、映像がドラマ化されている、あるいは架空であることがわかる十分な情報が視聴者に提供されていないもの。
なお、このリストはすべてを網羅しているわけではありません。
例
- 闘犬や闘鶏など、人間の見物人が動物同士を強制的に闘わせる動画。自然ドキュメンタリーのように、野生動物の戦いを特集したコンテンツは許可されます。
- 衝撃を与えるために動物の苦痛を描写した、教育、ドキュメンタリー、科学、芸術に該当しないコンテンツ。
- 傷づいた牛を映した闘牛の映像(例: 牛に剣が刺さっている映像など)。
- 爆弾や毒薬などの違法な方法による狩猟。
- 動物が救助される様子を撮影したコンテンツで、演出のために動物を危険な状況に置くもの。
これらはほんの一例です。このポリシーに違反する可能性があると思われる場合はコンテンツを投稿しないでください。
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