動物虐待動画・写真に関する国際レポート

ソーシャルメディア反動物虐待連合(SMACC)が野生動物を苦しめるオンライン投稿についてのレポートを公表

PEACEも加盟する国際連盟「Asia for Animals Coalition」のもと、2020年に結成された「ソーシャルメディア反動物虐待連合」(Social Media Animal Cruelty Coalition; SMACC)は、オンラインプラットフォームにおける動物虐待コンテンツの拡散を終わらせるためにつくられた国際団体の連合体です。

今年、オンライン上の動物虐待コンテンツについて、2つのレポートを公開しています。1つは日本語版があります。

2022年11月レポート「苦しみの悪循環」

SMACC動物虐待コンテンツ報告書 表紙最新レポートは、ソーシャルメディア投稿が野生動物をペットとして宣伝し、その結果、動物たちが苦しんでいることを明らかにしています。(現在英語のみ。タイトル和訳も仮です)

サルにベビー服を着せたり、絶滅の危機に瀕するトラの子どもをリードで歩かせたり、トカゲが購入者に小包で届けられたりする動画は、すべてオンラインで簡単に見ることができます。これらの投稿に登場する動物たちは、モノのように扱われ、撮影のために操作され、不自然な状況で生活しているため、苦しんでいます。

しかし、これらの動画や画像は、「かわいい」「面白い」と受け止められています。心配なのは、こうした野生動物の飼育を助長し、ペットとして購入する人がふえ、さらなる苦痛を与える可能性があることです。

多くの種は絶滅の危機に瀕しており、ペットとしての人気が高まれば、その種はさらに危険にさらされることになります。

多くの動画は、動物が飼い主によって意図的に虐待されている様子を映し出しており、この残酷な様子を見たい、あるいは糾弾したいという人々の間で共有されています。ソーシャルメディアは、このようなコンテンツが自社のポリシーに反しているにもかかわらず、通報されても削除することができないでいます。

これが、ソーシャルメディアにおける野生動物の描写が引き起こす苦しみの連鎖です。

このレポートでは下記のことが明らかになっています。

  • 少なくとも97種類の動物を撮影した840のソーシャルメディア投稿を見つけました。
  • 撮影されている動物の65%が、オナガザルやトラなどの絶滅危惧種で、中にはオランウータンのように絶滅の危機に瀕しているものもありました。
  • これら840件の投稿は、合計で11,806,630,205回閲覧されています。
  • 霊長類が最も多く、76%を占めています(うち60%はマカクザル)。トラなどの野生のネコ科動物は8%、爬虫類・両生類は2.6%でした。
  • 多くの動画(13%)では動物は心理的な拷問を受けており、人間の娯楽として利用されている(12%)、肉体的な拷問を受けている(8.8%)ことも示されています。

90ページもあり長文ですが、日本の事例として、コツメカワウソのことが取り上げられています。

SMACCは、こうした残酷なコンテンツに対しては、以下の「5つのステップ」を常に忘れないでくださいと訴えています。

  • 気をつける
  • 報告する
  • 見ない
  • 関わらない
  • 共有しない

この5つのステップに関しては、下記7月のレポートの日本語版も参照ください。

2022年7月レポート「拷問に等しいいじめ」

SMACC動物虐待コンテンツに関するレポート表紙

今年7月にもレポートが公表されています。こちらは、既に日本語版が掲載されていますので、ぜひ全文をご覧ください。

SMACC 5ステップ 動物虐待動画を見つけたときは

SMACC動物虐待コンテンツ通報フォーム
https://www.smaccoalition.com/report-a-concern

YouTube、Facebook、TikTokあてオンライン署名

SMACCが立ち上げているオンライン署名にもご協力ください。詳しくはこちら

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