化粧品の動物実験廃止へむけた国際動向~イギリスの対中国輸出、アメリカ州法動向、OECDから皮膚感作性試験の代替に朗報!

化粧品の動物実験廃止をめぐる国際情勢として、イギリス、アメリカ、OECDの動向をお伝えします。

イギリスも、中国への一般化粧品輸出で、動物実験免除が可能に

中国では、今年の5月1日より、一般化粧品の輸入については動物実験の義務づけが廃止されています。しかし、実際に動物実験をせずに中国に輸出するためには、輸出側の国または地方政府が出すGMP(Good Manufacturing Practice)証明書が必要となっており、これがハードルとなっています。

フランス政府が世界に先駆けて、この証明書のデジタル発行プラットフォームを立ち上げていましたが、このほど、イギリス政府も「化粧品・トイレタリー・香料製造業協会(CTPA)」をはじめとする美容業界と協力し、このGMP証明書をデジタル発行したとの報道がありました。

中国の国家食品薬品監督管理総局(NMPA)は事前承認を行わないため、実際に輸出されてみないとわからないとのことですが、CTPAは、「イギリスのGMP認証プロセスは、NMPAの要求を完全に満たしている」と述べています。

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3月4日、中国が一般化粧品の輸入についても動物実験の義務づけを廃止するとしていたことについて、新たに施行日が5月1日に決まりました。 ただし、今のところ、動物実験なしで中国に輸出できることがはっきりしているのは、先日アップ[…]

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化粧品の動物実験を禁止している国の一覧をまとめました 化粧品の動物実験に対する法的禁止を完全もしくは部分的に行っている国の一覧を作成しました。動向があったときは、このページを更新していきます。 [sitecard subtitle=[…]

化粧品の動物実験廃止

アメリカでは、新たに2州で化粧品の動物実験禁止

新たにメリーランド州とメイン州でも動物実験された化粧品の販売を禁止する州法が成立。現在、カリフォルニア州、ネバダ州、イリノイ州、バージニア州、メリーランド州、メイン州の6州で、化粧品の動物実験が禁止されたことになります。ハワイ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ロードアイランド州でも法案が提出されています。

メリーランド州

2021年3月29日、動物実験された化粧品の販売を禁止する州法が議会で可決。5月30日に、知事の署名を経ずに成立。2022年7月1日以降、動物実験された化粧品の販売をすることができなくなります。また、化粧品の開発中に、動物実験を他の企業と契約することも禁止しています。

メイン州

2021年6月10日、動物を用いて試験された化粧品の販売を禁止する法律に知事が署名。本年11月1日以降に動物実験を行って開発・製造された化粧品の販売が禁止されます。

世界の動向のページも更新しました。

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2021年2月13日公開 2021年9月4日最終更新 化粧品の動物実験を禁止する国の一覧について 化粧品の動物実験禁止は、今まさに世界中で状況が動いています。できる限りリアルタイムで更新しますが、タイムラグがあることはご容赦くださ[…]

OECDが皮膚感作性について、動物実験ではない手法の組み合わせによる解析法を公表

OECDが、「皮膚感作性試験の確定方式(DA:Defined Approaches)」を新たにガイドライン497として公表しました。動物を使わない手法で得られた知見の組み合わせによって、皮膚感作性(アレルギー)を評価する方法が示されています。

皮膚感作性試験は、モルモットの皮膚をただれさせ、激しいかゆみなどを引き起こす最も悲惨な動物実験の一つでしたが、LLNAという、マウスの耳に被験物質を塗布し、その後、解剖してリンパ節を調べる方法が代替法として開発されていました。しかし、この試験への置き換えも日本では遅々として進まず、切り替えられてきたのは、ようやく最近のことです。

美しさに犠牲はいらないキャンペーンで企業と交渉するなか、この皮膚感作性試験の動物実験を止めることができないというのが、化粧品会社が動物実験を廃止できない主な理由であることを感じてきました。

新しいDAでは、OECDで検証済みのin chemicoおよびin vitroの試験データを組み合わせで使用し、場合によってはin silicoの情報も加え、皮膚感作性の危険性の度合いについて結論を導き出すことができます。この方法に従えば、マウスのLLNAと同程度か、それより多くの情報によって危険性を特定することができるとされ、「複数の情報源から得られた結果をDAで併用することにより、動物実験と同等以上の予測能力でヒトの反応を予測することができる」と書かれています。さらに、LLNAによってなされていた有害性分類と同等の情報を得られるDAもあるとのこと。

OECDが動物実験ではない手法の組み合わせで評価する方法を示したことは、日本の実験動物たちにとっても大きな朗報です。「動物を犠牲にするべきではない」という圧力が低い日本では、なかなか新しい手法への切り替えが進まないのが常ですが、ここを乗り越えられれば化粧品の動物実験完全廃止が近づくと思います。

さらに、OECDでは、この6月に、動物を用いない光毒性試験として、新しく「再構築ヒト表皮光毒性試験(RhE PT)法」も採用されました。

動物実験代替法となるOECDのテストガイドライン等一覧」を更新しました。

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