衆院選を経て臨時国会が始まり、また動物愛護法改正へ向けた私たちの活動も動き始めました。
衆院選では、これまで民進党の動物愛護法改正WT事務局長として議論を引っ張ってきた田島一成議員と、超党派の犬猫殺処分議連(犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟)の動物愛護法改正プロジェクトチーム(PT)座長として同じく取り組まれてきた松野頼久議員が敗退するという大激変が起きてしまいました。
春以降、動物愛護法改正へ向けたロビー活動のご報告があまりできていませんでしたが、合同で動いている3団体(PEACE、JAVA、ARC)として民進党の環境・原子力部門会議で1回、同じく動物愛護法改正WTで3回(論点提起、エキゾチックアニマル、実験動物)、超党派犬猫殺処分議連PTで1回(移動販売等)、ヒアリングに呼ばれ要望についてご説明してまいりました。しかし、衆院選後の民進党の実質3分裂や議員の入れかわりによって、また新たな気持ちでロビーを始めなければならない状況になっています。
超党派の犬猫殺処分議連のほうは昨日(16日)から動き始めており、これからまたPTで週一回の検討を重ねていくとのことです。座長は自民党の牧原秀樹議員が就任し、来年の2月をめどに論点整理を行うとのことでした。
そのほか、自民党の動物愛護議連など関連する議員連盟の動向もあり、また各党で了承されたものが協議の上、法案に反映されていきますので、最後まで気を抜くことはできません。
署名のほうも、送付先となっているJAVAさんに続々届いている状況とのことで、ご協力を誠にありがとうございます。
余力のある方は、ぜひ地元選出の国会議員を調べ、「これまで改正で先送りにされてきた実験動物や畜産動物について動物福祉を担保する法律を作ってほしい」「虐待罪の罰則を強化してほしい」「エキゾチックアニマルの売買や展示があまりに野放しにされている」等々、ご関心のあるテーマで意見を送っていただければとても力になります。
(公)動物環境・福祉協会Evaさん「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム」参加報告
超党派の犬猫殺処分議連のプロジェクトチーム(PT)での議論を広く周知させる形で、9月19日、杉本彩さんの公益財団法人動物環境・福祉協会Evaさんが動物愛護法改正シンポジウムを開催されました。
主に話をされたのは、関係する議員の方々とアドバイザリーの方々ですが、ヒアリングに呼ばれた団体としてアニマルライツセンターの岡田代表理事が私たち3団体の要望について話しました。Evaさんのウェブサイトに詳細が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
この集会で特に大きくクローズアップされたと感じた点は、やはり動物取扱業を許可制にするかどうかという点でした。許可制ということは、動物を取扱う業行為は原則禁止であって、条件を満たした者だけが許されるという形になりますから、また一段と規制としては高くなります。
しかし、この許可の際の条件が厳しく整えられる場合には、確かに許可制の魅力は大きいのですが、実は今回、3団体では特に許可制は求めてはいません。
動物取扱業が届出制から登録制になったとき、「実質許可制と同等になる、登録拒否や取消もできるのだから、不適切な業者は淘汰される」と鳴り物入りだったにもかかわらず、結局、例えば東京都であればパピオンや清水園なところも最後には登録を受け付けてしまったからです。
このときの「何も変わらないじゃないか」という失望感はとても大きなものでしたので、単に許可制にしただけでは何も変わらない可能性もあると疑ってかかっているところもあります。むしろ「許可を受けているのだから合法に営業しているのだ」と、ますます業者の態度を大きくしてしまう可能性もありますので、本当に許可制にする際は、生半可な基準では実施していただきたくないというのが本音です。
もしかしたらそれよりは、このシンポでも繰り返し出て来たことではありますが、裁量的取消(取消できるだけ、実際にするかどうかは自治体判断)から必要的取消(条件を満たさなければ必ず取消)に変える等、実効性をあげる方法を考えるほうが重要かもしれません。
何が最良か、まだあと数カ月、皆で考えて行きましょう。