館山公園孔雀園のニホンザル檻、一重扉は法令違反。県の指導があるも、改善期限は3年後…

これまで複数の団体が対応を求めてきている館山市の館山公園孔雀園の虐待的な動物飼育ですが、先日、館山市の都市計画課公園係にその後の状況を聞いたところ、キバタンについては県内の施設と譲渡交渉中とのことでした。しかし、ニホンザルについては改善を検討中としつつも、具体的には斜めになっている小屋を平らにするといった程度である様子で、未だ根本的改善をする決定がされていないことに驚きました。

公園整備の予算は当然ついているが、その中からサルに割く予算がとれないのだそうです。しかし、サルのように寿命まで30年に及ぶこともある動物を飼育開始するにあたり、長期的な改築等の予算・計画が考えられていないのはそもそもおかしいのではないかと思います。

動画と写真は今年2月に現地に行かれた方から提供を受けたものですが、檻の老朽化はかなり進んでいます。動物福祉上の問題がとても大きいですが、そもそも二重扉になっていないため法令違反であり、この状態で特定動物の飼養・保管許可が出ていることがおかしい状況です。千葉県にこの点を指摘したところ、先週、館山市職員立ち合いのもと安房保健所(安房健康福祉センター)の立入検査がありましたので、ご報告します。

看板

公園自体は、とても自然環境ゆたかなよい場所にあり、小高い山の途中に孔雀園はあります。鳥の声、木々の葉っぱの擦れる音がし、音楽やアナウンスが流れるような場所ではなく、静かに、そこだけの時間が流れているような場所だったとのことでした。

しかし、そこにとってつけたように置かれているのがニホンザル小屋です。

ニホンザル

ニホンザルは1匹ずつ2匹が単独飼育されています。2匹は母子で、母猿はランちゃん、娘猿はジョーちゃん。もともとはオスもいて、2001年に娘が生まれたが、母猿が育児放棄したため引き離されて飼われているそうです。雌雄のサルをどこかからもらったのかについても、由来と言われていた動物園に記録がなく、どこから来たのか現在調査中とのこと。(戻せるか可能性を探るためもあるようです。)万が一、野生由来なら鳥獣保護法上の飼養登録の問題もあり、そもそも由来がわからないこと自体が問題です。

単なる檻に長期間入れられており、本来、社会性も高く、知恵を使って自然の中で暮らす野生の霊長類が、以下のような形で飼われています。

母猿:ランちゃん

ニホンザル表示
非常に小さい檻。
母ザル 小屋全景
床も糞尿が下に落ちるようになっている鉄棒のパイプ式であり、落ちた糞尿を掃除する実験動物と同じような管理方式。
母猿 檻
小屋自体が傾いている。
傾いている
檻の一角に置いてある窪んだ石が給水設備。
給水
明らかに二重扉になっていない。法令違反。しかし飼育員がこの扉を開けることはないのだという。

鉄棒の床の上に寝るランちゃん。
檻
老朽化が激しい。
檻の腐敗度
土に触れたり木に登ったりできず、自由も、することもない身で長期間の幽閉生活。
檻とサル

娘猿:ジョーちゃん

毛布やタイヤを入れてもらっているが、やはりとても小さい檻。
ニホンザル正面

隣の青い小屋はキバタン檻が置かれている小屋。サルは右の檻部分だけです。
キバタン小屋とサル檻

やはり老朽化している。
ニホンザル檻

娘 子 サル檻

時折、檻を両手で掴み体を揺らし、その後に必ず赤い毛布で自分のお尻をふくという動作を繰り返していた。(動画を参照)
お尻 しっぽ 糞 
娘
サル
天井。寝室はなく、雨除けは一部のみ。
サル小屋天井
地面は斜面となったコンクリート。
サル檻
2匹の小屋は接触できる距離にない。
サル檻

安房保健所の指導について

6月に入ってからですが、県に対し、檻が二重扉になっておらず違反ではないのか、老朽化も激しく破損による逸走もありえるのではないかと指摘したところ、先週、安房保健所の立入がありました。担当者が4月に異動で来たばかりで現地をまだ見たことがないということもあり、行ってくれました。

その結果、檻の老朽化と、一重扉が法令違反であることについては現地で確認をしたということで、館山市に対し改善するよう指導がありました。

そもそも寝室と放飼場に分けて管理する構造で飼養施設を作っておけば一重扉はありえないかと思いますが、二匹はそれぞれ単なる檻に入れられており、身を隠す場所もなく、怖いときや暴風雨のときなどはどうしているのだろうと心痛む状況です。土や木など、周囲に豊かにある自然環境に触れることもできません。本来、食べ物を探して食べる行動に長い時間をかける動物が、することもなく、精気ない時間を過ごす姿は哀れです。このような状態のサルを見せる意味も理解しかねます。

特定動物の管理という意味では行政が法令違反をしている状態は問題ですので、改善はせざるを得ないと考えられますが、単に扉を一つつけるだけなどといった小手先の対応となったら意味がありませんので、根本的改善を市には求めます。

問題は、いつまでに改善ということになっているかですが、特定動物の飼養保管許可の期限切れ(新規許可手続きの時期)が3年後となっており、その時までに改善するようにという指導になっているそうです。つまり改善されなければ許可は更新されないということかと思いますが、正直、先過ぎます。業者に対してであれば、即刻改善と言うのではないでしょうか。

行政ですから、改善するにも予算を組む必要があり、時間がかかるのは理解できますが、ランちゃん・ジョーちゃんにしてみれば、それだけ苦痛が長引くということになります。皆さまからも市へ要望を送っていただければです。

8月3日追記:飼養保管許可の期限切れとなる3年後までにとの千葉県の説明についてですが、県として3年後と考えているわけではなく、できる限り早くと指導をしているそうです。8月中に館山市は千葉県に今後の改修計画について提出する予定とのことです。

2020年10月13日追記:母猿のランちゃんについては改善のための予算がつきました。詳細はこちらをご覧ください。

意見送付先

館山市長 金丸謙一 殿
住所:〒294-8601 千葉県館山市北条1145-1
メールフォーム➡市長へ手紙を出す

※担当課は館山市建設環境部都市計画課公園係です。問い合わせは下記へ。
電話:0470-22-3610 ファックス:0470-23-3116
E-mail:tosikeikaku@city.tateyama.chiba.jp

追加情報

キバタンのジュンちゃんについて

新しいケージの寄付があり、現在は、この写真の状態からは改善されています。現在、県内の施設が受け入れ可能ということで、交渉中とのこと。どのようなところかはわかりません。保護団体への譲渡を蹴ったわけではなく、他に譲渡先が出てきたということ。譲渡されれば、公表するそうです。

声を発することはほとんどなかったが、見ているとずっとジュンちゃんもこちらを見ていて、離れようとすると、急に「こんにちは!」と言うそうです。

里見の千人猿

城山公園はサルにゆかりのある場所のようで、頂上にサルの石像があり、「里見の千力猿」と刻まれています。この猿は、里見家で飼われていた怪力無双の大猿で、しばし合戦にも出陣し、敵を蹴散らしていたという伝承があるそうです。しかし、里見家には、置き去りにして死なせたサルの怨念で廃れたという因縁話も(南房総市HP)。

サルにとって因果な場所のようですが、縁があってサルを連れてきたのであれば、責任感を持って世話してほしいと思います。

その後の経過

その後の経過については下記の記事をご覧ください。

館山市城山公園孔雀園続報:キバタンは譲渡され、ニホンザルは改善計画を提出予定

館山市城山公園のニホンザル、1頭については予算がつきました

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