以前、盲導犬は要りますか? 「同行援護従業者(ガイドヘルパー)養成研修」レポートを寄稿してくださった高橋和子さんに新たなレポートをお願いし、寄稿いただきました。
今回は、「ガイドヘルパーとその他の歩行介助法について ー人間の介助は犬ではなく人間自身が担うべきー」のタイトルで、前半はガイドヘルパーになってからのレポート、後半はガイドヘルパー以外の歩行介助ツールやバリアフリー環境等についてのまとめとなっています。
ちょうど、毎日新聞やフォーブス・ジャパンから、盲導犬のように視覚障害者を誘導する自動ロボット「AIスーツケース」についての報道がありました。実用化に向かっているようで、とてもうれしいです。
盲導犬のように視覚障害者を誘導する自動ロボット「AIスーツケース」を開発している全盲の研究者で、日本科学未来館(東京都…
キャリーバッグの形をしていて、目が不自由な人の移動をアシストするナビゲーションロボット「AIスーツケース」が間もなく実用…
☛IBMのプレスリリースはこちら。
毎日新聞の記事では、盲導犬が白杖に次ぐ第二のモビリティーエイド(移動補助手段)として挙げられていますが、現実には盲導犬は全国で840人しかユーザーがいません。ここ数年でもどんどん減っています。視覚障害1級の人が11万人いる中で、盲導犬は白杖に次ぐ現実的な選択肢とはなっていないと言えるでしょう。
そもそも生きものですから、お金があればどんどんふやせるというものでもありません。盲導犬になれないキャリアチェンジ犬を大量に生み出し、盲導犬になったとしても引退後の引き取り先が必要です。
また現実に、最大大手の日本盲導犬協会は、年間におよそ56億円の助成金と寄付金を得ながら、35頭しか育成できていません。
もちろん頭数減の背景にはニーズが低いことがあります。ぜひ今回のレポートを読んでいただければと思います。
フランス 犬や猫に苦痛を与える「トレーニング用」の首輪が禁止される
折しも、フランスでは犬や猫に苦痛を与える装具の使用を禁止する法案が可決されました。
MPs voted to outlaw collars with spikes, electricity or whi…
電気ショックを用いる首輪や、動物の体側に向けてスパイクがつけられている首輪(プロングカラー)だけでなく、制限なく締め付ける装具も禁止されるとのこと。
つまり、アイメイト協会が国際盲導犬連盟(IGDF)を脱退してまで使用しているチョークチェーンはフランスでは法的に不可ということになり、とても動物福祉にかなった調教法ではないということがますます言えるようになったと思います。
全国の視覚障害者約31万人のうち、盲導犬のユーザーとなれる人はわずか840人余り。その数は年々減少しています。膨大なお金を犬の育成にかけるのではなく、歩行の介助となる技術の開発・整備にふり向けたほうが、より多くの人が恩恵にあずかることができ[…]